JFEスチール、国内最高強度ロールコラムを開発 高靭性、優れた溶接性も

 JFEスチールは7日、建築構造用に使用する高強度の冷間ロール成形角形鋼管(ロールコラム)「JFEコラムJBCR385」を開発したと発表した。385N/平方ミリメートルと一般的なロールコラムを大幅に超える基準強度(F値)で、ロールコラムとしては国内最高強度を実現した。今月から本格販売を開始しており、ゼネコンや設計事務所向けに積極的な営業を展開していく。

 ロールコラムをめぐっては設計上の自由度をより高めるため高強度化のニーズが高まっていた。JFEスチールが新たに開発した製品はこうしたニーズに対応した。一般的に鋼材は強度を高めると靭性が低下する性質があるが、独自技術により最適な化学成分と製造方法を確立。強度と高靭性および優れた溶接性を兼ね備えることが可能となり、十分な保有変形性能を確保することができた。

 サイズは最大外径550ミリ、最大板厚25ミリの全34サイズで、用途は事務所や工場、倉庫や10階建て程度の商業ビルなど。国土交通大臣認定を取得するとともに、設計上の利便性を高めるため日本建築センターの評定も取得している。

 足元ではプレスコラムの需給が非常にタイトとなっているが、この代替としての適用も可能で、鉄骨製作の工期短縮への貢献も期待される。

 生産は倉敷と京浜から供給した原板を知多で造管する。

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