小野建の関西地区拠点群、鋼材加工・配送体制強化 設備新増設、トラック増便

 小野建(社長・小野建氏)は、関西を中心に鋼材倉庫や加工設備の新設・増設、さらにトラックの増便によって、鋼材加工および配送・出荷機能を強化している。事業戦略の基本とする「販売エリアの拡大」と「シェアの向上」を方針としながら、加工・配送出荷機能を強みとして、関西圏における拡販および収益力強化を進めていく。

 同社は今年9月、滋賀に鋼材倉庫を建設した。これで既存の堺スチールセンター・姫路営業所・四国営業所などを含め関西および四国における主要需要地で配送・加工拠点を確立したことになる。

 こうした鋼材倉庫の新設だけでなく、各営業所で切断機など新設・増設による加工機能強化、さらにトラックの増便など配送・出荷機能の強化も進めている。他社にない豊富な在庫、納期対応力、加工・配送機能を強みとしていく方針だ。

 同社は2011年に滋賀営業所を開設した後、姫路市・松山市など各地に営業事務所を設立し、関西・四国における営業基盤を固めた。2015年には姫路営業所の自社倉庫が竣工し、その後には松山(四国営業所)、滋賀、さらにはM&Aも活用し、神戸・丸亀・新居浜にも鋼材倉庫を開設した。

 また、すでに加工機能は各営業所で保有しているが、これをさらに推進している。堺SCでは複合機やショットブラストを導入し、新設した滋賀営業所でも加工機を稼働し始め、来年にもさらなる増強を進める予定。また姫路営業所では来年春に省力化も狙いとして複合機と自動搬入装置を1基ずつ導入し、南大阪営業所でも年明けにバンドソーを1基増設する予定だ。

 こうした加工機能強化だけでなく、配送能力を高めるため、各営業所でトラックも増便。各地で注文があれば、すぐに届けられる体制を強化している。

 同社IR資料によると、関西・中京エリアにおける2018年3月期売上高は約486億円。経常益は前年度比で73%増の約13億円。加工・配送能力を強みとして拡販を進めるとともに、さらなる収益性向上も目指していく。

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