愛知製鋼、「次世代技術」でまた布石 磁気マーカ利用、郊外路線で完全自動運転

 愛知製鋼(社長・藤岡高広氏)が、自動車産業でこれから起こる変化に対応した「次世代技術」でまたひとつ、具体的な布石を打った。JR東日本が主催する「モビリティ変革コンソーシアム」の「BRTにおけるバス自動運転の技術実証」に、独自の自動運転支援技術「磁気マーカシステム」で参画し、大船渡線BRTの専用道に磁気マーカを敷設。レベル4(完全自動)運行を目指して実証実験に取り組む、と同社らが7日発表した。

 BRTは、利用者減などで維持が難しくなっているローカル鉄道線の廃線跡を活用し、代替交通「バス高速輸送システム」を走らせる取り組み。

 今回、大船渡線BRTで「磁気マーカシステム」を用いた実証実験を実施するもの。実施期間は、12月12日から来年3月8日まで。同社とJR東日本のほか先進モビリティ、京セラ、ソフトバンク、日本信号、日本電気が参画する。

 敷設区間は、竹駒駅周辺のBRT専用道(計0・4キロメートル)に磁気マーカを敷設し、時速40キロで走行し「駅ホーム部に正確に幅寄せして停車するか」を検証する。

 同BRTには多くのトンネルがあり、上空からの電波が届かず、GPSによる位置特定が困難なため、「磁気マーカシステム」による正確な自動位置推定技術の活用が期待されている。

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