DOWAメタルテック、タイの加工拠点強化 銅系条製品スリッター増設

 伸銅品大手メーカーのDOWAメタルテック(本社・東京都千代田区、社長・菅原章氏)はタイの加工拠点を強化している。銅系条製品のスリッターを1台増設。さらに既存の錫めっきラインやスリッターの生産性改善も進めながら加工能力を高めている。自動車関連の日系顧客向けの需要が拡大しており、その対応などが狙い。

 同社では自動車向けを注力分野の一つに位置付け、グローバル供給体制を強化している。ASEAN地区の自動車関連需要は昨年から今年にかけ拡大。ワイヤハーネスの接続に用いるコネクタ用銅板条などのニーズが高まっており、同社では現地拠点の設備増強や生産性改善などを進めている。

 めっき・切断加工などコイルセンター機能を担うDOWAメタルテックタイランドでは、新規スリッター設備を導入し8月から商業稼働。併せて既存の錫めっきラインやスリッター設備では生産性を改善し、前年上期比で約1割の増産を達成している。

 同国ではプレス加工事業も展開している。プレス加工工場では今年に入り設備レイアウトを変更し、原料・製品の流れをスムーズにするとともに作業性を向上。今後の生産数量・アイテム増に対応可能な設備増設スペースを確保している。

 またグローバルな供給力を高めるためタイ以外の海外拠点も強化している。中国では現在江蘇省に銅系板条の錫めっき工場を建設中。さらにメキシコには貴金属めっきの工場有しており、フル操業に向けた顧客の認定作業が進められている。

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