野母崎に恐竜博物館 長崎市が基本計画 研究拠点として「進化続ける博物館」目指す

 長崎市は10日、市議会教育厚生委員会で、野母崎地区に建設予定の恐竜博物館の基本計画を説明した。新しい研究成果を継続的に発表し、展示する「進化し続ける恐竜博物館」を目指すとしている。
 同博物館は延べ床面積約2250平方メートル、鉄筋コンクリート造りの一部2階建て。最新の設備で先進的な研究に取り組み、他の博物館や大学と学術交流を積極的に進める研究拠点とする。将来的には、ティラノサウルス科の化石が発掘された長崎半島西海岸にある約8100万年前(白亜紀後期)の地層「三ツ瀬層」で体験型の学習も視野に入れる。また、周辺観光の発信拠点として、案内所を置く。
 常設展示スペースは650平方メートル。長崎市の自然史を五つのテーマに沿って時系列に並べる。このうち、メインテーマの「恐竜の時代」は325平方メートル。長崎市で発掘された恐竜化石や、オランダ・ライデン市の国立自然史博物館から購入する全長13メートルの骨格標本レプリカなどを展示。岩石の切断や研磨作業などをパネルや映像で紹介するオープンラボ展示や、化石発掘の体験型展示も計画している。
 市教委は年間入館者数を約12万2700人と見込む。調査研究を担う学芸部門を除き、指定管理者制度を導入予定。2019年度中に基本設計、実施設計を策定し、20年度に着工。21年10月の開館を目指す。

常設展示のイメージ図(長崎市教委提供)

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