3年ぶり最下位に終わった楽天の戦力整理…12球団最多の大量20選手放出

今季限りで現役を引退した聖澤諒【写真:荒川祐史】

今季は梨田監督がシーズン途中に辞任、借金24で最下位に沈む

 昨季は終盤までリーグ優勝を争い、3位に食い込んだ楽天。梨田昌孝監督が就任して3年目を迎えた今季、5年ぶりのリーグVを目指したものの、結果は58勝82敗3分の最下位。シーズン中に梨田監督は辞任。平石洋介ヘッドコーチが監督代行に就任し、残り試合を戦った。

 建て直しを図りたい来季、平石監督代行は正式に監督に就任。“松坂世代”で初のNPB球団の監督となり、若さを全面に出して新たなチーム作りを進めていくことになる。また、石井一久氏がGMに就任し、このオフは例年以上に積極的な動きを見せている。

 FA市場では目玉の1人だった浅村栄斗内野手の獲得に成功。トレードで巨人から橋本到外野手、広島から福井優也投手を補強し、アラン・ブセニッツ投手、ジャバリ・ブラッシュ外野手と2人の新外国人選手の加入も決まっている。

 その一方でオフは、かなり思い切った戦力整理を行った。支配下、育成、外国人のトータルで、なんと20選手を放出(6選手は育成で再契約)。聖澤諒外野手や枡田慎太郎外野手など4選手が現役を引退した。そこでここでは、今オフ、楽天で引退や戦力外となった主な選手たちの実績を振り帰ってみよう。

○小山雄輝投手(戦力外→現役引退)
 大府高、天理大を経て2010年ドラフト4位で巨人へ入団。1年目に3試合に投げ、2試合目にはプロ初勝利をマークした。2014年には15試合に先発して6勝をあげて頭角を表したが、その後は低迷。2016年オフにトレードで移籍した楽天では2017年の5試合のみの登板に終わり、オフに戦力外通告を受けて現役引退を決めた。通算60試合8勝8敗1セーブ5ホールド、防御率3.08。

○伊志嶺忠捕手(戦力外→現役引退)
 北谷高、東京情報大を経て2007年の大学生・社会人ドラフト3位で楽天に入団。4年目の2011年には嶋に次ぐ2番手捕手の座を掴み、1軍の戦力に。その後も正捕手の座こそ奪えなかったが、貴重なバイプレーヤーとしての役割を果たしてきた。だが、今季は1軍出場なしに終わり、オフに戦力外に。その後、現役引退を決断した。通算186試合329打数65安打4本塁打29打点、打率.198。

細川は戦力外となり、パ・リーグ4球団目となるロッテへ加入

○聖澤諒外野手(戦力外→現役引退)
 松代高から国学院大を経て、2007年の大学生・社会人ドラフト4位で入団。1年目から出場機会を掴むと、3年目の2010年にはレギュラーに。2011年に全試合に出場して52盗塁を決め、2012年は138試合で54盗塁を決めて盗塁王のタイトルを獲得。2013年も主力として楽天初の日本一に貢献した。その後は若手の台頭などもあって出場機会は減少。今季は27試合の出場に終わり、オフに戦力外通告を受けて現役引退を決断した。通算1034試合3004打数823安打19本塁打249打点197盗塁、打率.274。

○枡田慎太郎外野手(戦力外→現役引退)
 2005年のドラフト4位で智弁学園高から入団。強打の野手として期待され、7年目の2012年に79試合でプロ初本塁打を含む5本塁打を放って台頭。2013年には後半戦に活躍を見せ、86試合でキャリアハイの8本塁打を打ち楽天初の日本一に貢献した。その後は代打や指名打者での起用が主となり、今季は33試合に出場。オフに戦力外となるとトライアウトも受験したが、その後引退を決断した。通算412試合1093打数269安打25本塁打147打点、打率.246。

○細川亨捕手(戦力外→ロッテ)
 青森北高、青森大を経て、2001年の自由獲得枠で西武に入団。2年目の2003年からレギュラーの座を掴むと、西武の正捕手として9シーズンプレー。2004年にはサイクルヒットを達成している。2010年オフにはFA権を行使してソフトバンクへと移籍し、ここでも正捕手に。2015年から徐々に出番を減らし、2016年オフに楽天へ。この2年間で22試合出場に終わり戦力外となり、来季はパ・リーグ4球団目となるロッテでプレーする。通算1396試合3347打数678安打84本塁打366打点、打率.203。

○ジョシュ・コラレス投手(戦力外)
 2017年途中に、BCリーグ富山から楽天に加入。1年目は1試合の登板に終わるも、2年目の今季も残留。だが、今季は1軍登板は1度もなく戦力外通告を受けた。通算1試合0勝0敗0セーブ0ホールド、防御率15.00。

○ジャフェット・アマダー内野手(自由契約)
 メキシカンリーグのレッドデビルズから、2016年に楽天に加入。1年目は怪我に悩まされたものの、驚異的なパワーで39試合で9本塁打を記録。昨季も打率は高くないものの、121試合で23本塁打を放った。今季は7月に11本塁打を放って、62試合で20本塁打をマークしたが、禁止薬物への陽性反応が検出され6か月の出場停止に。メキシコのウインターリーグで復帰を果たしているものの、今季限りでの退団が決まった。NPB通算222試合761打数190安打52本塁打126打点、打率.250。

○カルロス・ペゲーロ外野手(自由契約)
 カージナルス傘下から2016年途中に楽天に加入。圧倒的なパワーで1年目から51試合で10本塁打を放つと、昨季は“最強の2番打者”として打線を牽引。故障での離脱がある中で120試合で26本塁打を放った。今季もそのパワーは健在で88試合で17本塁打を放ったが、打率.233とふるわず、今季限りで退団となった。NPB通算259試合955打数253安打53本塁打145打点、打率.265。

○オコエ・ディクソン外野手(自由契約)
 ドジャースを解雇されて今季加入し、“2人目のオコエ”と話題となった助っ人。強打の外野手として期待されたが、シーズンの大部分でファーム暮らしとなり、1軍での出場はわずか22試合。打率.175と低迷し、1年での退団が決まった。

○寺岡寛治投手(戦力外→育成)
○野元浩輝投手(戦力外→育成)
○鶴田圭祐投手(戦力外→育成)
○下妻貴寛捕手(戦力外→育成)
○吉持亮汰内野手(戦力外→育成)
○ルシアノ・フェルナンド外野手(戦力外→育成)
○横山貴明投手(育成、戦力外)
○宮川将投手(育成、戦力外)
○入野貴大投手(育成、戦力外)
○匠内野手(育成、戦力外)
○向谷拓巳内野手(育成、戦力外)(Full-Count編集部)

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