日本ハム移籍の金子が若手に門戸開く 「包み隠さず答えようと思っています」

日本ハムのユニホームに袖を通した金子弌大(右)と栗山監督【写真:石川加奈子】

ドラフト1位の吉田輝星を「本当にすごいストレートを投げるなと」

 オリックスから自由契約となり日本ハムへの入団が決まった金子弌大(かねこ・ちひろ)投手が10日、札幌市内で入団会見を行った。投手陣最年長になる120勝右腕は、自らの技術を若手に惜しみなく伝える用意があることを明かした。

 お手本としての期待があることについて金子は「そう言っていただけるのはうれしいですが、まずは結果で示さないといけないと思っています」と表情を引き締めた。その上で「変化球のこととか、聞かれたことで自分がしっかり答えられることだったら、包み隠さず答えようと思っています」と語った。

 4日に契約合意が発表されると、投手陣から生きた教科書として歓迎する声が上がった。今季チーム最多の11勝を挙げた24歳の上沢直之投手は「全てが見本。シーズン中のコンディショニングの仕方だったり、投球の意識だったり、たくさん僕から話しかけて、たくさん聞けたら」と“金子塾”を熱望していた。

 金子自身、一方的に教えるだけではなく、若手からもどん欲に学ぶ。「僕も相手として(日本ハムの)ピッチャーを見ていて、すごくいいなと思う変化球もあるし、いろんなことを聞きたいなと思うところもあります。今いるファイターズの選手から僕も教わりたいと思います」と語った。

 その相乗効果は計り知れない。栗山英樹監督が期待する「ものすごく大きな化学変化」がすでにチームに生まれ始めている。

 さらに金子はドラフト1位で入団する吉田輝星投手(金足農)にも言及。「本当にすごいストレートを投げるなと。はまった時のストレートはプロでも打てないんじゃないかなと思う球威、球質」と一目置く。

「いい意味で緩急、強弱のあるストレートをプロでもうまく使えればいいですが、そこを履き違えてしまうと難しいのかなと思うので。僕は14年間プロを経験させてもらっているので、プロのバッターはこうだという感じでピッチャー目線から伝えられることがあったらなと思います」と将来のエース候補の成長にも力を貸す。(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)

© 株式会社Creative2