長崎陸協競歩大会 森岡ら有力選手出場

 陸上の第9回長崎陸協競歩大会(日本陸連など後援)は9日、長崎県諫早市のトランスコスモススタジアム長崎で行われ、2016年リオデジャネイロ五輪まで3大会連続で五輪の舞台に立った森岡紘一朗(富士通、諫早市出身)ら有力選手が、一般男子1万メートルに出場して大会を盛り上げた。
 競歩の競技力向上や普及のために毎年開催。今回の招待選手で、17年世界選手権男子50キロ5位の丸尾知司(愛知製鋼)をはじめ、この大会をステップに日本代表入りした選手も数多くいる。今年は全国各地から約120人がエントリー。小学から一般の男女計11種目で競った。
 一般男子1万メートルは、日本高校記録保持者の住所大翔(順大)が40分39秒15で優勝した。県勢の最高は42分24秒57で6位に入った井元太二(長崎東高-防衛大)。今春からコーチングの勉強と指導をメインとしている森岡は9位でゴールした。
 高校の女子3000メートルは早川紗帆(佐世保北)が18分29秒81で1位。男子5000メートルは中尾勇太(佐世保工)が22分34秒50で4位に入った。

◎森岡「競歩の発展支えたい」
 日本競歩界をけん引してきた33歳の森岡(富士通、諫早市出身)が、自身の代名詞となっている“美しいフォーム”を披露。指導者の道も歩み出した元日本代表は「地元中の地元である特別な大会。今年も全国から選手が集まり、盛り上がってうれしい」と笑顔を見せた。
 4月から母校の順大大学院でコーチングを学んでいる。「日本代表を目指すことはないが、体が動くうちは競技者の姿を見せたい」と週2回程度、自らのトレーニングも継続中。この日は、順大の教え子たちと一緒に一般男子1万メートルに出場して「彼らがしっかりやってくれて良かった」と指導者の顔をのぞかせた。
 今後は、世界を経験させてくれた競歩への恩返しに力を注ぐ。専門種目の普及、発展を誓う次代の名将候補は「選手といい関係性を築いて、個々の特性を生かせるようなコーチングがしたい」と目標を掲げていた。

【一般男子1万メートル競歩】集団を引っ張る森岡(富士通)=トランスコスモススタジアム長崎

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