サンエツ金属、シリコン系鉛レス黄銅棒を年度内めどに量産化

 黄銅棒・線最大手のサンエツ金属(本社・富山県砺波市、社長・釣谷宏行氏)は2018年度内をめどにシリコン系の鉛レス黄銅棒を量産化する。強度と耐摩耗性に優れるほか、シリコンを添加することで鉛を使わず切削性を保つため環境に優しいことも特長。機械部品向けの用途で、流通業者の強い求めに応じて量産化を決めた。

 新黄銅棒「ネオブラス」はJIS・C6932に対応した製品。黄銅をベースにシリコンを2・6~3・4%添加している。生産は黄銅棒の主力製造拠点である砺波工場(富山県砺波市)が担当し、サイズ展開は通常の黄銅棒に準じる。コストは一般の黄銅棒よりも割高となるが優れた特性を有している。

 砺波工場の既存設備で生産が可能。すでに量産体制を整えており、下工程の設備を調整して真直度や真円度、同軸度などで優れた精度を確保できるようになっている。

 11月中旬からサンプル品の出荷を開始しており、現在はユーザーでの評価試験が進んでいる段階。試験をクリアし次第、量産に移行する。

 同社ではすでに鉛レスの黄銅棒として微量のビスマスを均一な大きさで黄銅中に分散させ、切削性を保ったBZシリーズをラインアップ。技術を生かした注力製品として位置付けている。

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