頼れる存在 チームレインボー 地域サロン支援 生活の不安を気軽に相談 病院、介護施設、薬局… 清水地区 10事業者で構成

 「ずっと自宅で暮らしたいけど家族に迷惑をかけたくない」「病院に行くほどではないけど体調の変化が気になる」-。佐世保市清水地区の病院や介護施設、薬局など10の事業者でつくる「チームレインボー」は、そんな生活の不安を気軽に相談できる存在だ。地域サロンに出向き、健康講座や体操などさまざまなプログラムを展開。近くに頼れる存在がいる心強さを感じてもらうため、活動を続けている。
 市清水地域包括支援センター(川原玲子所長)が管轄する清水、大久保、金比良、赤崎、九十九の五地区59町のうち、40町でサロンが開かれている。数人の住民がリーダーとなって運営するが▽内容がマンネリ化する▽リーダーの負担が大きい-といった相談がセンターに寄せられていた。
 逆に、日ごろ地域活動をしている事業所から「専門知識をもっと生かせる場はないか」という声が寄せられていた。そこでセンターが橋渡しとなり、チームを結成した。2016年から協力者の登録を募集。今年4月からサロンに派遣している。
 9月初旬。清水地区の「清水いきいきサロン」では、登録事業所の一つ、小阪薬局浜田町店(浜田町)が漢方についての勉強会を開いた。漢方薬の効能や飲み方について解説を受けた参加者は、「ずっと飲んでいる漢方が効かない」「夜中に足がつって眠れない」といった悩みをぶつけていた。
 リーダーの公文美智子さん(77)=福田町=は「2年目でメニューを考えるのに苦労する。レインボーのおかげで楽になり、参加者の刺激にもなる」。田端純子さん(72)=中通町=は「疑問があっても、わざわざ病院や薬局を訪ねるのは気が引ける。つながりができると行きやすく、何かあれば頼れると思うだけで安心できる」と顔をほころばせた。
 小阪薬局の小阪由喜さん(34)は、「薬局の利用者が孤独死したとよく耳にして、やるせなさを感じていた。『元気にしているよ』と立ち寄ってもらうだけで、自分も安心できる」と話した。
 「○○病院の△△さんに、ちょっと聞いてみようかな」-。心細いときに、ふと顔が浮かぶ人がいる。チームレインボーは、そんな安心感を人々に与える。

「清水いきいきサロン」での小阪薬局による出前講座=佐世保市保立町、清水地区公民館

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