ヤンキース ハーパーから撤退&マチャドとは交渉継続か

今オフのフリーエージェント市場は数年前から大きな注目を浴びており、ブライス・ハーパーとマニー・マチャドがともにヤンキースのピンストライプのユニフォームに袖を通すことを夢見る者もいた。しかし、ヤンキースのブライアン・キャッシュマンGMは事態を極めて冷静に捉えている。ヤンキースの最大の補強ポイントは先発投手であり、トミー・ジョン手術により長期離脱が予想されるディディ・グレゴリアスに代わる遊撃手も必要。その一方で、外野手は人員過剰気味となっている。それらを踏まえ、キャッシュマンはマチャドとの契約交渉を継続し、ハーパー争奪戦には加わらないことを示唆した。

キャッシュマンは「我々には無限にお金があるわけではない。我々は今、先発投手を探している。最初は2人必要だったけれど、(ジェームス・パクストンを獲得したため)あと1人になった。それに加え、ディディ・グレゴリアスの離脱にどのように対処するかを考えている。さらに、ブルペンの補強も検討している。オフシーズンに入ってから、外野手を探しているなんて一度も言ったことがないんだ。なぜハーパーについて尋ねる人がいるのか不思議だよ」とコメント。この発言から判断する限り、キャッシュマンはハーパー争奪戦に加わるつもりは全くないようだ。

ヤンキースの外野にはブレット・ガードナー、アーロン・ヒックス、アーロン・ジャッジ、ジャンカルロ・スタントンと4人のレギュラークラスがおり、実績十分のジャコビー・エルズベリーと有望株のクリント・フレイジャーも故障からの復活を目指している。少なくとも外野にはハーパーが割って入る余地はない。また、一部ではヤンキースが一塁手としてハーパーを獲得する可能性も指摘する者もいたが、「一塁手に対してそれほどの(=ハーパーが希望しているほどの)金額を払うつもりはない」とキャッシュマンはその可能性を完全に否定。ヤンキースの一塁はルーク・ボイトとグレッグ・バードの2人体制が採られることになりそうだ。

一方で、キャッシュマンはマチャドの代理人であるダン・ラザーノと交渉を行ったことを認め、今後も交渉を続けていく方針であることを明らかにした。ハーパー争奪戦からのヤンキースの撤退、マチャド争奪戦へのヤンキースの本格参入により、両選手の市場はこれから大きく動き始めるに違いない。

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