【MLB】マリナーズも菊池争奪戦に“本気” GMが力説「彼は本物のボールを持っている」

ポスティングによるメジャー挑戦を目指す菊池雄星【写真:荒川祐史】

日本人と馴染みが深いマリナーズ「ササキ、クマ、イチローはスーパースターになった」

 西武からポスティングシステム(入札制度)でのメジャー移籍を目指す菊池雄星投手の争奪戦が本格化しようとしている中、マリナーズのジェリー・ディポトGMが獲得に乗り出す方針を明らかにした。地元紙「シアトル・タイムズ」が報じている。

 ラスベガスで開催中のウィンターミーティングに出席しているディポトGM。ジェームス・パクストン投手やロビンソン・カノ内野手ら主力を続々と放出するファイヤーセール中のマリナーズにとっても、菊池は魅力的なようだ。

「彼はとても優秀だ。彼のパフォーマンスが(彼の素晴らしさを)物語っている。彼は本物のボールを持っている。日本で多大な成功を収めている。彼は長年に渡り活躍しているので、我々はNPBのどの選手よりも長くスカウトしていることだろう」

 ディポトGMはこう語ったという。

 マリナーズは日本と馴染みが深い。今季途中に会長付特別補佐に就任したイチロー外野手や、巨人加入が決まった岩隈久志投手ら多くの日本人選手が在籍した経緯から、記事では「ディポトは日本人選手とのマリナーズの実績がセールスポイントになればと期待している」と分析している。

「我々はどんな選手にとっても最高のマーケットだ。特に日本からの投手たちには、やりやすい環境が与えられている。それが我々のMLBの市場における独自性だと考えている。街にも多様性がある。我々が日本からのスターを獲得し、マーケティングの観点やコミュニティーにおける彼らのポテンシャルを最大限引き出した過程の中で、カズ・ササキ、クマ(岩隈)、イチローはスーパースターになった」

2年後のタイトル争いを目指すマリナーズ、菊池は「我々の目的の一部になり得る存在」

 かつて任天堂がオーナーとなり、日本人コミュニティの大きなシアトルでは日本出身のスーパースターが数多く活躍してきた。

 記事の中で、ディポトGMは「それはマーケットに起因するものだ。我々には日本とアメリカの素晴らしいコミュニティがある」と力説している。

 チームは主力を大量放出。人件費を削減し、有望な若手をかき集めて、2年後のタイトル争いに照準を合わせている。再建中のマリナーズと菊池はフィットするのだろうか。

 ディポト氏はその質問に自信を示す。「間違いない。彼は27歳だ。シアトルでどこまでプレーする希望を持っているのかわからないが、我々は(彼に)興味を抱いている。彼は我々の計画にもフィットする。2年後に我々に(躍進する)チャンスが訪れる時、彼は29歳になっている。我々の目的の一部になり得る存在だ。しかし、彼がここに来たいのかどうか、私にはわからない」と地元メディアの取材に対して語ったという。チームがタイトル争いを目指す2年後にメジャーに適応し、成熟期を迎える菊池の必要性を説いたが、あとは左腕次第となる。

 昨オフ、大谷争奪戦に参戦したディポト氏はメディアに積極的に露出する方針で二刀流獲得を狙ったが、実現しなかった。菊池の争奪戦に打ち勝つことはできるのだろうか。(Full-Count編集部)

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