冬の低山ハイクには、雪道もトレイルも行ける『ウィンターブーツ』を推したい! 冬の低山へ登山に行く時の足元、皆さんはどうしていますか? 春~秋の3シーズン用トレッキングブーツでは低山といえども寒い…。とはいえ、厳冬期の高所にも対応するアルパインブーツは、いくら軽量モデルが増えているからといって、ひと冬に何度も履く訳ではないし、登る山は低山だからと、その高価さに二の足を踏んでいませんか? そこで今回提案したいのが、保温材を装備し暖かく、軽量で歩きやすい、しかも雪が降ったときの街でも履けるウィンターブーツです!

ウィンターブーツって、どんな靴?

(メレル サーモ ローグ ミッド ゴアテックス※サンプルのため、アウトソールのカラーリングが実際のものとは異なります)

最近では日本海側の雪国だけでなく、太平洋側の都市部でも大雪に見舞われることが増えています。そんな時に活躍してくれるのがウィンターブーツ

保温材を装備し気温の低いトレイルでも足先を暖かく保護してくれて、ゆるんだ雪に濡れても大丈夫なように防水性も高いのが特徴。ブーツ内のムレも放出して冷えを抑制する透湿性も備えています。

「ウィンターブーツ」「スノーブーツ」といえば、オーロラ鑑賞やスノーキャンプなど防寒性を重視したモデルからはじまり、スキーやスノーボードをしに行く際のアプローチや降雪時のタウン仕様が多くありました。それがここ最近、スノーシューや冬の低山ハイク、ブーツによっては積雪時のトレイルランニングと、山を歩いたり、よりアクティブな動きにも対応する運動性の高いモデルが増えてきているのです。
まだこうしたウィンターブーツを冬の低山ハイクで履くことはメジャーではありませんが、使わない手はないと思うのです!

数年前からウィンターブーツで低山ハイクをした結果

私がウィンターブーツを履いて、冬、そして雪の低山をハイク&ランをはじめたのは5年程前。タウン用ではなく、冬のトレイルを歩いてかつ走れると紹介されていたサロモンのウィンターブーツを手に入れ、500~2,000mくらいまでの山に何度となく行ってみました。さらにひと冬に1~2回はスノーシューでも履いてみました。

その結果…

3シーズン用トレッキングブーツやトレイルランニングシューズのように足先は冷えず、しかもそれらと同じように軽快な足取りは可能で、とても快適でした。
もちろん防水素材なので、雪に濡れてもシューズ内は濡れません。履き口から雪が入りそうな積雪の場合は、スパッツを装備すればよいのです。

ただしワンタッチアイゼンは装着できないので、高所登山×

雪上でも暖かく、軽快に歩け、モデルによっては走れるウィンターブーツですが、ほとんどのモデルはワンタッチアイゼンを装着することはできません。そのため森林限界を超えた雪と岩の高所にまで行くことは難しいです。

しかし軽アイゼンやチェーンスパイクは装着可能なので、森林限界以下の低山の凍結しているトレイルには対応してくれます。

メレルの新作ウィンターブーツは凍結にも強かった!

今回、この企画の取材をするために着用したのはメレル『サーモ モーグ ミッド ゴアテックス』。タウン用とは異なるなるスポーティなデザインで、足首まで包み込む高めのミッドカットは、不安定な雪上でも安心感がありました。特に秀逸なのはアウトソール。メレルとビブラム社が共同開発した「VibramARCTIC GRIP DURA」を搭載しています。

濡れた氷上はもちろんのこと、雪上でも驚異的なグリップ力!

「ARCTIC GRIP DURA」は、凍結している木段や木道でもジワッと滑りを抑えてくれました。ちなみに展示会では氷の上を歩ける什器が用意されていて、ツルツルの氷の上に乗ってみましたが、しっかりとグリップされ、「オオッ!!」と思わず声を出す程に驚きました。

ただしアウトソール全面にこのグリップ力を誇るゴムが採用されている訳ではないので、実際のトレイルでは、強いグリップ力を誇るソール部分が凍結部分に乗らないと多少のグラつきを感じます。しかし慎重に足裏全体を下ろして進めば、グリップしてくれます。3シーズン用トレッキングブーツで軽アイゼンを装着した方がよい状況でも、このブーツなら進め、仮に「軽アイゼンを忘れた・・・」という時でも心強いと思います。

軽快さは楽しいけれど、重い荷物を背負った時は・・・

メレルのサーモ ローグ ミッド ゴアテックスに限らず、多くのウィンターブーツは、ソールが柔らかめです。モデルによる違いはありますが、3シーズン用トレッキングブーツとトレイルランニングシューズの中間くらいです。そのためデイハイクや山小屋泊の装備であれば問題ありませんが、テント泊までを考えた装備では、足の疲労、体に負担が掛かりそうです。

足先が寒くて・・・、それならウィンターブーツを試してみて!

タウン仕様ではなく、アクティビティ対応のスノーブーツを手に入れれば、街で山でと活用する機会は増えます。また冬は足が冷たくなってツラいから低山ハイクも行かない・・・という人も、是非試してみてください!

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