意義深い日本の歴史ポ語講座=漫画協会と三重県人会取組む=「私たちは日本史知らない」

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最終回に出席した皆さん

 ブラジル漫画協会(Abrademi、佐藤フランシスコ紀行会長)と三重県人会(下川孝会長)が1日午前に聖市の日本語センターで、『日本の歴史』についての連続講演会(ポ語)の最終回と修了式を共催した。3月から月一回、計9回中の7回以上出席した34人に修了証書が渡され、うち全回出席は10人いた。参加者の半数は非日系人であり、意義ある取り組みとして注目される。

 最初に佐藤会長が「平成時代」、次に前会長の佐藤クリスチアネさんが「沖縄の歴史」の講座を各1時間半行った。
 クリスチアネさんは「日本の歴史は戦いや悲惨な出来事の繰り返し。そこから私たちはブラジル人として多くのことを学べるはず。世界の半分はアジア、人口の3分の2はそこに住んでいる。そこの歴史を知ることは重要。この講座は一つの見方に過ぎない。各人が自分の見方を磨いてほしい」と講座を締めくくり、修了式になった。
 第1回の昨年は無料講座だったので200人以上が毎回参加。今年は有料となったが、94人が受講した4月の回を最高に、今回も34人が参加。国際交流基金サンパウロ日本文化センターの洲崎勝所長、日本語センターの日野寛幸副理事長、下川会長らから、全回出席した10人に日本語の歴史の本と修了証書が手渡された。
 その一人、同県人会の青年部長、浅野レナンは生徒代表として「日本に1年留学したが歴史講座で初めて。詳しく日本史を知ることが出来た。日本の歴史は我々にとっても宝物、思想的な資産。それに触れられるとても貴重な機会だった」と感想をのべた。
 参加者の桝本レチシア亜由美さん(32)に尋ねると、「私は日本語教師。日本移民の歴史を書いた本はあるが、日本の歴史を書いたポ語の本はほとんどない。私は日本の歴史を全然知らない。だけど日本の歴史を知らないと日本語の授業に困ることがある。だからこの講座はとても勉強になる」と参加動機を日本語で説明した。
 西野小夜子さん(70、二世)も「学校で西洋の歴史は習うけど、私たちは日本の歴史を何も知らない。とても興味があるが、今まで知る機会がなかった。特に日本の教育のやり方がどう形成されたのか、もっと知りたい」とポ語で熱く語った。

沖縄戦のことも教える授業の様子

 授業参加者に補助教材として配っているポ語資料を作る協力をしているブラジル日本会議の徳力啓三理事長は、「日本の中学の歴史教科書を簡略化して、佐藤さんに渡している。ブラジルで日本の歴史を知ってもらう素晴らしい取り組み」と語った。
 佐藤会長は「日本の学校でも近代史はほとんど教えないと聞きます。例えば沖縄の歴史。移民子孫として先祖が日本を離れた時代である近代史を知ることは重要。きちんと教えたい。来年のことも検討中です」と語った。

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 日本の歴史ポ語講座の参加者から聞いた「私たち日系人は、移民史はある程度知っているが、日本の歴史は全然知らない」という言葉は衝撃的だった。もっともっとこのような講座が開催されると同時に、日本の歴史に関するポ語書籍を刊行する必要があるようだ。ブラジル漫画協会の佐藤フランシスコ会長によれば、ある程度詳しい日本の歴史のポ語書籍は70年代に出版されたものだ最後で、現在はほとんど手に入らないのだとか。