結成から20年間の代表曲を網羅したベスト盤。通常盤は全58曲のCD4枚組で3400円（税別）と、過去の作品を持つ人でも買い直しやすいよう配慮がされている。
また、コスパのみならず音作りに関しても工夫されている。『風』や『蕾』などどれも歌声が生々しいのだ。これは新録音ではなくリマスタリングの効果らしい。近年、彼らが路上LIVEを行うことも含め、原点回帰を目指しているのだろうか。
さらに、DISC3の後半とDISC4の、2012年の活動再開後の作品で熱気が増している。特に、軽快でコミカルな関西弁ソングの『42.195km』や、孤独や迷いの中でもがき続ける人々を鼓舞するように力強い『君になれ』、大きな愛で包み込むようなマーチ風の『ONE TIMES ONE』など、これまでの定番だった“泣きのバラード”以外で、このリマスタ効果が顕著に出ている気がした。
DVDに年代順で収録されたLIVE映像からも、パフォーマンスの軸がどんどん太くなっていることを確信した。本作を楽しめば、老化を受け止めつつ、それを進化に変えるほどの元気をもらえるはず。
（ワーナー・4CD+DVD初回限定盤4800円＋税）＝臼井孝
