古河電工、パワー半導体用新型冷却機を発売

 古河電気工業は11日、パワー半導体用新型冷却機を10月に発売したと発表した。独自開発の接合技術を使用することで環境負荷を低減したほか、冷却性能を維持したまま軽量化も実現。鉄道車輛市場や太陽光発電市場などに提案し、年間7億円の販売を目指す。

 古河電工は1980年代から鉄道駆動用、太陽光発電用インバーターなどに使用されるパワー半導体用ヒートパイプ式冷却器パワーキッカーを販売しており、これらの市場は新興国需要やエコロジーの流れで目先も堅調と予測している。このような中、パワー半導体の熱を受ける受熱部材と、熱伝導部材であるヒートパイプとの熱接合を、従来のはんだ接合から、新たに開発した環境影響物質フリー接合技術に置き換えた新製品を投入することを決めた。

 従来のはんだ接合は伝熱性能と強度のバランスに優れる一方、環境調和性とコストが課題だった。古河電工は受熱部材とヒートパイプのみのカシメ接合技術を開発。冷却フィン側の効率改善も図りつつ、冷却器全体の性能は維持したことで環境調和性向上・コスト削減・軽量化を実現した。

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