ついにオリックス生命が初の値下げ。保険料引き下げの背景と市場動向

これまで値下げを行ってこなかった大手生命保険会社、オリックス生命保険が今年10月に初の保険料引き下げを行うことを発表しました。

生命保険各社が主力商品である医療保険の値下げに踏み切っており、医療保険市場の競争が激化傾向にあります。

なぜ、医療保険市場の競争が激化したのか?

その背景には、日本の保険市場の変化があります。保険料引き下げの背景と市場動向を紐解いていきましょう。

保険料値下げの背景

日本では医療技術の進化に伴い、長寿化が進んでいます。

医療技術が進化すると、おのずと医療費は高くなります。また医療技術の進化で長寿化が進めば入院や手術、通院など医療機関への受診回数が多くなることになります。

長寿化と高齢化の進行が合わさり、医療保険の需要は高まる一方です。

本来であれば、保険料は上がっていくべきものですが、高まる需要へのシェア確保のために、各保険会社が保険料の値下げをしているのが現状です。

今後の医療保険市場の動向

今後は、ますます医療保険への需要が高まり、医療保険市場の競争がさらに激化することが予想されます。

激化する要因として大きく2つ挙げられます。

1.平均余命の引き上げ

保険会社が保険料を決定するもととなる、標準死亡率が2018年4月に改定され、11年ぶりに死亡率が下がることになり、生命保険各社の保険料の見直しが行われました。

11年ぶりの標準死亡率の低下に伴い、オリックス生命も保険料の引き下げを決定しました。

標準死亡率とは

公益社団法人日本アクチュアリー会が算出する、年齢別、性別の死亡率です。

2.高度先進医療の進歩

医療技術は日々進歩しています。いままで、治療が困難とされてきた病気も治療が可能になっています。

先進医療は健康保険の対象にはならないため、全額が自己負担の自費治療となります。

医療技術の進歩に伴い先進医療を受ける人が増えており、同時に医療保険によって先進医療の保障を補う人もおのずと増えています。

引用元:生命保険協会(契約動向)

約5年の医療保険の保有契約件数推移を見てみると、個人向け商品として販売されている医療保険は平成24年度の2,778万件から平成28年度の3,529万件と増加の一途をたどっています。

これらのことから、医療保険への需要が高まっていることが如実にわかります。

まとめ

先進医療の進歩にともない、長寿化が進んでいます。高齢化も同時に進み、医療費が増え、日本の医療費は高騰し、結果的に医療保険への需要も自然と高まることは必然です。

需要の拡大とともに、このシェアを奪うために生命保険各社は保険料金を値下げしているといえます。

保険を選ぶために大切なことは、しっかり自分の望む保障が得られるかどうかです。保険料が引き下げられたから選ぶのではなく、自分のライフスタイルに合わせて早い時期から準備をしておくことが重要です。

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