高齢化社会に向けて。認知症患者の監督義務者を自動車保険の補償対象に

高齢化社会が進む昨今、高齢者や認知症の疑いがある人が起こす自動車事故が増えています。もしも、あなたの家族が認知症を発症し、運転中に事故を起こしてしまったら。

今ご加入の自動車保険では補償外になる場合もあると知っていますか?

増え続ける高齢者の交通事故とその補償範囲について、今一度くわしく調べておきましょう。

高齢者の自動車事故件数の推移

内閣府が発表する平成29年交通安全白書には、75歳以上の運転者による死亡事故の件数と割合の推移がグラフで掲載されています。

(引用:内閣府 交通安全白書

高齢運転者による死亡事故の件数は増加し、加速していく高齢化社会に向けて、さらに増え続けることが予想されます。

警視庁は平成29年に死亡事故を起こした75歳以上の運転者のうち、約49%が直近の認知機能検査の結果、認知症の恐れ、または認知機能低下のおそれと判断されていたと報告しています。

認知症患者が事故を起こしたら

認知症の疑いのある高齢者が事故を起こし、加害者本人に責任が問えない状態にある者を「責任無能力者」、責任無能力者に対する監督責任がある者を監督義務者といいます。

現行の自動車保険の補償対象は本人以外にも同居や同一生計の親族が対象であることも多く、家族が監督義務者として同居の高齢者の賠償責任を問われても、基本的に保険金は受け取れますが、例外が存在します。

同居していても生計は別であったり、親とは別居している場合、監督義務者は被保険者に該当せず、保険金は下りません。

損保ジャパンは、責任無能力者の監督責任までを保障するよう改定

このような高齢ドライバーに対する自動車保険の盲点を埋めるため、「損害保険ジャパン日本興亜株式会社」は自動車保険を2019年1月に改定し、被保険者に責任無能力者の監督義務者を含めると発表しました。

損保ジャパンの自動車保険改定は、同社が取り組む「SOMPO認知症サポートプログラム」の一環として実施されます。

同プログラムは認知症の方が自分らしく安心して暮らせる社会づくりと、その家族や介護スタッフなどの負担軽減を目的に、今年10月からスタートします。

これから避けては通れない高齢化社会とうまく向き合うため、新たなサービスを通じ、高齢者と高齢者を介護する双方が笑顔で生活できる世界を期待したいものです。

出典元一覧


© 株式会社保険コネクト