「風の谷のナウシカ」 リメイク版は…歌舞伎!!

新元号 12月に上演

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「風の谷のナウシカ」より(ⓒStudio Ghibli) 右は尾上菊之助さん

【エンタメ特集】

 宮崎駿監督の初期の代表作、アニメ映画「風の谷のナウシカ」が新作歌舞伎として上演されることが、明らかになった。歌舞伎俳優の尾上菊之助さんがナウシカ役を務める。宮崎監督の作品が歌舞伎になるのは初めて。2019年12月に東京・新橋演舞場で上演される。(構成 共同通信=柴田友明)

 宮崎作品の「風の谷のナウシカ」は1984年に公開。戦争で産業文明が滅び有毒ガスに満たされた世界に生きる少女ナウシカがヒロインとして、自然と人との共生を目指して生きていくストーリーは、当時国内や海外で大きな反響を呼んだ。現代文明、環境破壊への批判をモチーフに描かれた内容は、35年たった今も色あせていない。歌舞伎としてどのような舞台になるか興味深い。

新作歌舞伎「風谷のナウシカ」の出演予定者

 新橋演舞場によると、尾上菊之助さんが歌舞伎での舞台化のためアイデアを出した。

 菊之助さんは昨年、古代インド叙事詩を題材にした新作歌舞伎「極付印度伝 マハーバーラタ戦記」を企画・上演。「インドの神様と人間の距離感の近さ、そして物語の大きさを歌舞伎にしたら面白いんじゃないかと思った」と共同通信の取材に答えており、これまでも新作企画に積極的なスタンスだ。

 最近ではTBS系ドラマ「下町ロケット」の続編にベンチャー企業社長役として出演、人気を集めており、菊之助さん自身の演技が楽しみだ。ナウシカの皇女クシャナ役は中村七之助さんが務め、ほかに尾上松也さん、坂東巳之助さん、尾上右近さんら若手成長株が出演する予定だ。

宮崎駿監督

 オリジナルの「風の谷のナウシカ」は宮崎駿監督が「アニメージュ」(徳間書店)という雑誌に原作を連載、それをベースに「ルパン三世・カリオストロの城」(1979年)に続く劇場映画だった。以後、スタジオジブリで「となりのトトロ」(88年)、「魔女の宅急便」(89年)、「紅の豚」(92年)、「もののけ姫」(97年)、「千と千尋の神隠し」(2001年)などヒット作、名作が生み出されていく。ナウシカはその呼び水になったとも言える。

 宮崎監督は当時、映画のナウシカについて、閉塞した社会の中で息苦しい思いをしている子どもたちのために作ったとコメントしているのを筆者は覚えている。今回、新作歌舞伎として上演されることで、エンタメ界にどのような新しい風が訪れるか楽しみだ。