ノバ放出のパイレーツ 右腕・ライルズと1年契約

イバン・ノバをホワイトソックスへ放出し、ノバの来季年俸850万ドルを浮かせることに成功したパイレーツ。ニール・ハンティントンGMは浮いた予算を「他のエリアに投入する」と発言していたが、その第1弾としてフリーエージェントの右腕、ジョーダン・ライルズと1年契約を結ぶことで合意に至った。ライルズはこれまでのキャリアと同様に、先発またはロングリリーフとして起用されることになりそうだ。

今季のライルズはパドレスとブリュワーズで8先発を含む35試合に登板して87回2/3を投げ、3勝4敗、2ホールド、防御率4.11、84奪三振をマーク。与四球率は前年に引き続いて2個台(2.87)をキープした一方、奪三振率8.62は自己ベストを大きく更新し、その結果、K/BB3.00も自己ベストの数字だった。特に後半戦は防御率3.31、被打率.203と安定したピッチングが見られたが、これにはカーブの投球割合を大きく増やし、速球を効果的に使えるようになったことが影響しているようだ。

ライルズはノバの穴を埋める先発ローテーション候補の1人となり、マイナーオプションが切れているニック・キングハムやスティーブン・ブロールトと先発ローテーションの1枠を争うことが予想されている。ハンティントンGMはかつてのA.J.バーネットやフランシスコ・リリアーノ、エディンソン・ボルケスのようにフリーエージェント市場で「お買い得物件」を見つけることを狙っているものの、補強が上手くいく保証はなく、今季レイズが本格採用した「オープナー戦法」を取り入れる可能性があることを示唆している。その場合にはライルズ、キングハム、ブロールトらが有力なオープナー候補になりそうだ。

パイレーツの先発ローテーションはジェイムソン・タイオン、クリス・アーチャー、トレバー・ウィリアムス、ジョー・マスグローブで4枠はほぼ確定。残りの1枠をライルズらが争うものの、トップ・プロスペクトのミッチ・ケラーがシーズン途中にメジャー昇格を果たす見込みであり、それまでのおよそ半年を「オープナー戦法」で凌ぐ可能性もある。いずれにしても、ライルズの加入はパイレーツに様々な選択肢を与えたと言えそうだ。

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