横浜市と市薬剤師会、横浜薬科大学(同市戸塚区)は来年3月から、薬局機能を持つ小型バス「モバイルファーマシー」(災害対策医薬品供給車両)を災害時などに連携して運用する。市によると、全国の政令指定都市で初の試み。
東日本大震災では、津波被害などで薬局の調剤機能が停止し、持病や生活習慣病を持つ人たちが困難に直面した。モバイルファーマシーはこの教訓を踏まえて開発され、全国で徐々に導入が進んでいる。
調剤に必要な棚や電子てんびん、自動分包機、水剤調剤台などを備える。災害時にもつながりやすいとされるMCA無線ほか、NMG発電システムなどを搭載。電力や水の供給が途絶えた場所でも、活動できる。
災害時に市職員と薬剤師らが一緒に出動し、避難所などで医薬品の調剤・供給、服薬指導などにあたる。同大がモバイルファーマシーの導入を市に提案。約4千万円をかけて2台の小型バスを改造し、来年2月末に1台目を導入する。
10日には、林市長、同市薬剤師会の寺師三千彦会長、同大の都築仁子理事長が連携運用に関する協定を締結。通常時には防災訓練や各種行事に参加し、医薬品の適正使用に関する啓発活動に活用するという。