科学が融合した芸術的なコーヒー グリーンポイントにある「Sweetleaf Coffee Roasters」

Sweetleaf Coffee Roasters(スイートリーフ・コーヒー・ロースターズ)

オーナーのリッチが家族らと一緒に手がけた、アンティーク風のインテリア

真っ黒の外壁が格好良くて、以前から気になっていたお店。ある日利用したらあまりにも居心地良くて、思わず長居をしてしまいました。この街の魅力の一つは、マンハッタンとは違う時間の流れ。観光客が圧倒的に少なく、広いスペースにカウチがぜいたくな間隔で置かれていて、ゆっくりと気の向くままに過ごせます。

手作りの内装x最新マシーン

︎店の奥は、コーヒー好きの男たちが働く、焙煎所になっている

「最新設備と古き良き時代のアンティークな雰囲気が融合した店」と言うのは、オーナーのリッチ・ニエト。「古いからこその価値を大切にしたかった」と、アンティーク家具が置かれた内装は手作り。「全部を古くするのではなく設備は最新機器。それがこだわりです」

自宅で焙煎するほどコーヒー好きだった彼は、20年前に電気通信系の企業を興し、コーリングカード事業でビジネスの基礎を築きました(コーリングカード、ニューヨークでは懐かしいですね!)。時代の流れで事業転換し、コーヒーの道で生きていくことを決めました。2008年ロングアイランドシティに1号店を、15年にグリーンポイント店をオープン。4店舗目のお披露目ももうすぐです。

世界10ヵ国前後からの豆を独自にブレンド

Latte($4.25)、Carrot Cake($4.75)

コーヒー豆は世界10~12カ国から仕入れ、自社でオリジナルブレンドを作っています。

「テーマは『アートとサイエンスの完璧な融合』。ずば抜けたおいしさとの出合いは、僕にとってアートであり、到達した芸術的な味をリピートするのに科学の力が必要なのさ」と、コーヒーに対する並々ならぬこだわりと自信をのぞかせました。私のおすすめの豆は、新鮮な香りとアシディティ(酸味)のバランスが絶妙なデュロミナ(Ethiopia Duromina Lot2=300g、18ドル)。ミルクやメープルシロップを入れたり、アイスにしてもおいしいです。以前は酸味が苦手でしたが、最近好きになりました。先日、日本で飲んだコーヒーがどれも特徴がなく、おいしく感じなくなっている自分に気付きました。この店でコーヒーに命を懸けている男たちが生み出す、ホンモノの味に出合ってください。

All Photos: © Kasumi Abe

© Trend Pot NY,LLC