今のドルトムントはクロップ政権を超えるか? 強すぎる若手軍団にかかる期待

好調を維持するドルトムント photo/Getty Images

ルシアン・ファブレ率いるドルトムントは、ユルゲン・クロップの指揮したチームをも超える存在となるだろうか。近年のドルトムントを語るうえでクロップが築いたチームは外せないが、今のファブレ率いるチームはそれをも上回りそうな勢いを見せている。

ブンデスリーガ公式もファブレ体制のスタートを絶賛しているが、今季のドルトムントはリーグ戦で未だ黒星がない。14試合を終えて11勝3分のスタートを切っており、バイエルンが躓いていることもあって首位を快走中だ。14戦無敗はクロップ、さらにはトーマス・トゥヘルの初年度をも上回る数字で、クロップにとって最初のシーズンとなった2008-09シーズンは6勝6分2敗、トゥヘル体制の2015-16シーズンは10勝2分2敗のスタートとなっている。ファブレは14試合を終えた段階で79%の勝率を誇っており、これは見事と言うしかない。

もちろんクロップが就任した10年前と現在のドルトムントは状況が異なる。クロップが引き継いだ時のドルトムントは低迷していたため、比較するのは難しい。とはいえ、優勝を果たした2010-11シーズン、2011-12シーズンも無敗スタートは切っていない。14戦消化時点で無敗は異例だ。

また、ファブレもジェイドン・サンチョやヤコブ・ブルン・ラーセン、アクラフ・ハキミ、ダン・アクセル・ザガドゥなど若手をチームに上手く組み込むと同時に、パコ・アルカセルやアクセル・ヴィツェルなど新戦力も融合させるなど簡単な仕事をこなしているわけではない。チャンピオンズリーグでもグループステージを首位通過しており、これはファブレの手腕を称えるべきだろう。

今のペースを維持できるならばリーグ制覇に加えてチャンピオンズリーグでも上位進出が望めそうだが、ドルトムントはどこまで進めるのか。クロップのチームをも上回る可能性を持つ強烈なチームが完成しつつある。

© 株式会社FACTORIES