古賀オール、加工ラインを〝遠隔監視〟 モニター活用、確認作業を効率化

 古賀オール(本社・東京都中央区日本橋小伝馬町、社長・古畑勝茂氏)は、コイルセンター(CC)各拠点でモニター画面を活用した遠隔監視を採り入れた。

 CC現場では、オペレータ(作業員)による種々の目視作業が存在する。

 レベラーラインやスリッターラインのアンコイラーからコイル先端が通板する際、歪みや曲がりなく真っ直ぐに挿入されているかの確認や、ループピットを正常に通過しているかの監視。あるいはシャーリングマシン後方の集積装置に、切板製品が正しく積まれているかどうか、という点。

 現場オペレータは都度、操作の手を止め、必要な箇所に移動し、目視で正常か異常かの「状態」を確認したあと、再び操作位置に戻って作業を再開する。

 ただ、大型ラインの場合、確認場所が操作盤から何十メートルも離れており、しかも目視が必要な箇所は回転体など可動部分も多く、狭いところでは腰を屈めたり身体を前のめりにしたりすることも。シャーリング設備の場合も同様のケースがある。

 これを、カメラとモニター画面によって遠隔監視するわけだ。

 現場オペレータは操作をしながらカメラによってモニターに映し出される様子を確認できる。移動しなくて済むから、確認作業に掛かる時間短縮と労務負荷軽減はもちろん、何より安全性の向上に寄与し、生産性も高まる。万一、加工中に不具合が発生した際も早期に発見・対処できるメリットは大きい。

 かつては高価だったカメラとモニターが、最近は安価でしかも画像も綺麗で鮮明となり、費用対効果が見込みやすくなった。

 まずは東北支店で取り組みに着手し、その成果が他拠点にも水平展開され、今は東京工場、北関東支店、甲信越支店で活用されている。そのきっかけは、同社の小集団活動成果発表会とのこと。

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