12球団唯一“補強ゼロ”のホークス 支配下登録内訳から見る補強ポイントは?

ソフトバンク・工藤監督【写真:藤浦一都】

FAで西と浅村の獲得を目指すも、逃したソフトバンク

 プロ野球もオフシーズンに入り、各球団は来季に向けて戦力を整えている真っ最中だ。FA権を行使した選手の移籍先は全て決まり、今後は新たな外国人の獲得、トレードなどでの補強で、来季の編成を固めていくことになる。

 日本のプロ野球では、1軍の試合に出場できる支配下登録選手の枠は70人が上限に定められている。通常、各球団はシーズン中の補強、そして育成選手の支配下への昇格も想定して、ある程度、枠に空きを作り、65人から多くても67、68人ほどで開幕を迎える。

 この70人の枠の中で、いかに戦力を編成し、バランスを整えていくか。そこは球団の方針によるところとなる。そこで、ここでは各球団の現在の支配下登録枠の状況を見て、その球団の補強ポイントを探ってみたい。今回はソフトバンクだ。

 今季2年連続日本一に輝いたソフトバンクの現時点での支配下登録の状況は以下のようになっている。

支配下登録:64人(57人+新人7人)
・投手33人(新人5人、右投手25人左投手8人)
・捕手7人(新人0人、右打者4人左打者3人)
・内野手13人(新人1人、右打者8人左打者5人)
・外野手11人(新人1人、右打者5人左打者6人)

欲しいのは内川や松田の後継者となれる右の強打者!?

 ソフトバンクはこのオフ、FA市場で西勇輝投手と浅村栄斗内野手の獲得に乗り出したが、西は阪神へ、浅村は楽天への入団を決めた。W獲りを目指しながら、どちらも逃す結果に。外国人選手は保留者名簿から外れ自由契約となっているジュリスベル・グラシアル内野手を除き、残留することが決まっており、現時点で12球団唯一の“補強なし”となっている。

 現時点での支配下登録は64人、交渉をしているグラシアルの残留が決まっても65人と、やや少なめ。ただ、投手、野手の人数のバランスも大きく崩れているわけではなく、左右のバランスも悪くないのではないか。強いて言えば、外野手の中心選手が柳田、中村晃、上林と左打者に偏っている。

 戦力の層は厚く、人数バランスを見ても急を要するような、不足した補強ポイントはそれほど見当たらない。ただ、野手陣、とくに内野手は内川、松田、川島が35歳を越え、明石も32歳と、年齢層が高くなってきている。内川や松田の後継者となれる、それこそ浅村のような右の強打者が欲しいところか。

 今季は故障者続出に苦しんだが、投手陣も来季はサファテ、岩嵜らが復帰できる見込みで、他球団に比べれば、陣容は充実している。現時点で外国人は6選手(グラシアルが残留となれば7選手)が在籍しており、これ以上の助っ人補強は現実的ではない。となると、取り得る手段はトレードか。(Full-Count編集部)

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