干支凧 華やかに

室蘭・とんてん館 体験学習会

©株式会社室蘭民報社

伝統文化伝えたい

講師・笹山さん
干支凧作りの材料は和紙、5本の竹ひご、たこ糸など。和紙の下絵は笹山代表が熟練の技で描いた
和紙の裏面に「米」の字になるように竹ひごを貼り付けた
笹山代表の助言を受けながら干支凧に色を塗る成田記者(左)
仕上げに匠の技でたこ糸を取り付ける笹山代表
「上手にできたよ」と完成した干支凧を手に笑みを浮かべる子どもたち

 室蘭市民俗資料館(陣屋町)のとんてん館寺子屋教室「干支凧(えとたこ)づくり体験学習会」が11月23日、同館で開かれ、市民が来年の干支「亥(い)」の絵柄の和だこ作りに挑戦した。来年「年女」となる記者も参加し、伝統文化に触れながら、新年にふさわしい華やかな作品を完成させた。制作の様子を紹介し、講師の室蘭・礼文凧保存愛好会の笹山惠弘代表(71)=白鳥台=に活動への思いを語ってもらった。

 小学生の親子からシニアまで、幅広い世代の10組15人が参加した。初めての人もいれば、毎年の常連も。材料は縦45センチ、横30センチの和紙、長さの異なる5本の竹ひご、水性染料、たこ糸。和紙には墨で「亥」の字や干支の絵柄が施され、力強い雰囲気。笹山代表が人数分を1枚ずつ手描きした。絵柄を全く同じに何枚も描くのは熟練の技という。

 作業は骨組み作りから開始。細い竹ひごに両面テープを貼り、和紙の裏面に「米」の字になるように1本ずつ貼り付けていく。中心の交差部分をぴったり合わせるのが肝心だ。その後は下絵に色付け。水性染料でイノシシの茶色や背景の赤を筆で塗り込んでいく。色むらやにじみに注意する。

 小学校の図工の授業を思い出しながら、慣れない作業に黙々と取り組む。ふと周りを見ると、子どもも大人も真剣な表情で、夢中になって取り組んでいる。笹山代表が各テーブルを回り助言していく。じっくり塗り進めるうち、赤が効いた華やかな和凧に仕上がり、すてきな縁起物に。最後は笹山代表が、匠(たくみ)の技で糸を取り付けて完成した。

 参加者は出来栄えに満足の表情で「外で揚げてみたい」「冬休みの自由研究で作ってみようかな」「玄関に飾りたい」と話していた。私も運気上昇を願って、部屋に飾ることにしよう。

 笹山代表は8歳まで宗谷管内の礼文島で過ごし、漁師だったおじから礼文凧の作り方を教わった。1970年(昭和45年)室蘭に移住。自営業の傍ら趣味で凧を作っていると興味を持つ人が集まり、1990年(平成2年)に愛好会を発足した。

 活動のメインは1月2日の新春と、6月13日の白鳥大橋開通記念日にちなんだ凧揚げ会。場所は祝津町の道の駅みたら横の広場。勇壮な武者絵が描かれた迫力満点の凧が大空を舞う。小学校や市民活動センターなどで制作講習会や作品展も行う。個人的には室蘭、登別市内の宿泊施設や商店の依頼を受け、干支凧作りに取り組んでいる。

 「童謡で歌われる『お正月には凧揚げて』の光景はあまり見られなくなったが、活動を通じて伝統文化を伝えたい」と語る。凧は平和の象徴でもある。「ワンスカイ・ワンワールド(大空は一つ、世界は一つ)」を合言葉に「戦争のない、いつまでも凧を揚げられる、平和な世の中であってほしい」と願っている。
(成田真梨子)