白銅、高瀬アルミを子会社化 販売ネットワーク拡充

 非鉄流通大手の白銅(社長・角田浩司氏)12日、アルミ圧延品流通の高瀬アルミ(社長・高瀬和眞氏)をグループ化すると発表した。来年2月に全株式を取得する。優良顧客と直接取引している高瀬アルミを子会社化することで、販売ネットワークの拡充を図るとともに事業基盤の強化を目指す。

 1971年に設立した高瀬アルミは、アルミ板や押出製品を主力製品として扱う非鉄金属流通。東京・外神田の本社事務所のほか、葛飾区四つ木に倉庫を保有している。

 両社はもともと取引関係にはなかったが、アルミ圧延国内最大手のUACJを仕入れ先とするなど共通点も多い。高瀬アルミが後継者問題を抱えていた一方、白銅もM&Aによる事業基盤の強化を検討しており両社の思惑が一致。1年前ごろから協議に入り、今月12日に契約締結に至った。白銅は高瀬アルミの顧客に対し、5千品目・サイズの商品を販売することで、事業規模の拡大を狙う。さらに白銅グループとして、物流や財務といった経営リソースを活用したシナジーも追及していく。

 2月15日に予定している全株式の譲り受けを受けて、高瀬和眞社長と高瀬章専務は顧問となり、白銅の岩田龍一標準品営業本部長兼東日本営業部長が社長に就く。高瀬アルミの事務所や人員は白銅が引き継ぐ。

 白銅にとって同業の買収は直近では初めて。今後も事業規模の拡大の一手としてM&Aを選択肢の一つにしていく。なお高瀬アルミの直近(18年10月)の業績は、売上高16億9200万円(前年比17・5%増)、営業利益600万円(同6倍)、経常赤字400万円(前年同期は1100万円の黒字)、最終赤字200万円(同1千万円の黒字)。

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