大河内金属、航空機用アルミ需要増で岐阜工場の切断能力増強

 大河内金属(本社・兵庫県尼崎市、社長・大河内弘毅氏)は、岐阜工場の加工能力を強化した。尼崎事業所に設置していたアルミ板切断機を1基移設した。航空機材に特化した岐阜工場は足元の航空機関連市場の拡大を受けて高操業を続けており、加工能力を引き上げることで高まるアルミ加工ニーズに対応する。このほど移設したのは尼崎事業所で使用していた汎用切断機。これにより岐阜工場の主要加工設備は2面パレットチェンジNC切断機と汎用切断機2基の3基体制となる。このほか小型切断機も複数台保有しており、当面の航空機材加工ニーズには対応できた格好。

 しかし「今後も航空機市場は拡大していくと期待されているので、加工能力も将来は不足する可能性が高い。現在も高操業が続いているので、どこかのタイミングで新たな増強も必要になるかもしれない」(大河内社長)と話す。また「航空機材におけるアルミ板などの購買方法に変化が出てきており、今後は加工業者が直接アルミ板を調達する比率も高まってくる。こうした時に豊富な材料と加工機能を持っているということをアピールしたい」(同)とした。航空機材に特化している岐阜工場は、宇宙航空規格のAMS―QQ―A・ASTM・ASME・MIL規格など幅広い特殊合金を在庫し、国内外の広幅、長尺品を大量に保有している。顧客に材料と加工をセットで提案できるほか、品質面での安全安心やトレサビリティーが徹底され、重電メーカーなどからも信頼が寄せられている。

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