光メタルセンター/チタン製作業用冶具を開発 重筋作業の軽減狙う

 チタンなど高級金属を主体とする受託加工型コイルセンターの光メタルセンター(本社・山口県光市浅江、阿部光範社長)は鉄鋼関連の構内作業用冶具を開発した。同社が得意とするチタンを加工して軽量化を図り、重筋労働を軽減できる。今後は数サイズを用意して市場投入を検討している。新日鉄住金グループ内での採用も目指す。

 開発製品名は「チタン馬」。作業の合間のちょっとした置き場台・作業台が構内作業の必需品だが、従来は鉄製がメイン。一人で持ち上げて作業ごとに移動させるには重量があり、作業性に課題があった。自社作業員から軽量な作業台を求める声が製品開発のヒントになった。

 チタン馬は1ミリ厚の板をCチャンネル構造に加工・溶接して組み合わせる。切断・曲げ・溶接まで自社一貫製造した。従来品より剛性・耐荷重能力が高く、重量は鉄製(サンプル22・8キログラム)の3分の1(同8・7キログラム)。光メタルセンターでは本社工場や周防工場に採用し、作業者からは好評を博している。片手で持ち上げられる重量で一人運搬が可能なことから、作業状況によって移動させることが容易となる。鉄鋼関係以外にも、高齢者や女性が多い製造現場に需要があるとみている。

 現行のサンプル品は作業者が自らが求める高さ・幅・長さに応じて作成した一品モノ。コストは鉄製品の2倍はするが、阿部社長は「初期投資は高いもののチタン製は塗装が不要で一生モノ。作業者の負担も減らせる」と市販化の商機を話している。

© 株式会社鉄鋼新聞社