北方領土問題~2島先行で返還は実現するのか?

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(12月13日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。今後の北方領土交渉について解説した。

ロシアのプーチン大統領(右)との会談で握手する安倍晋三首相(シンガポール)=2018年11月14日 写真提供:時事通信

北方領土をめぐり注目される年明けの日露首脳会談

安倍総理は来月スイスで開かれる世界経済フォーラムへ出席した後、ロシアでの首脳会談を予定している。北方領土問題について話が進展するかどうかが注目される。

飯田)国会に先駆けての総理の外交日程について。1月9日~11日の日程で、イギリスとオランダ訪問が調整されています。目玉はその後ろの1月22日~25日。スイスのダボスで開かれる世界経済フォーラムの年次総会に出席して、その足でロシアに行く。

鈴木)まさに北方領土の話ですね。にわかに動き出したと言われています。2島先行を入り口にして、現実的な北方領土問題へのアプローチですよね。いままでは「4島全部」と言っていて、なかなか進まなかった。2島先行が現実的な打開策ですが、政府は4島と言って来た以上、なかなか言えなかった。そこにプーチンさんが東方経済フォーラムで「北方領土は棚上げだ」とゼロにしてくれたおかげで、2島先行が、本当は4島に比べて後退しているのですが、前進に見えて来た。この辺は安倍さんがうまく外交術を使ったと思います。
ただ、取材した政権幹部は「道のりはまだ長い。しかもプーチン大統領の人格を否定するわけではないが、何を考えているかは分からない」と言っていました。日本に対してアプローチして来るのは「日本が目的ではなくアメリカや中国を意識したときに日本を1つの防波堤のように使おうと考えているのでは?」とか。そういう経済協力をするには、向こうにとって北方領土はいいカードですよね。だから取材した感じでは「ただチラつかせているだけじゃないか?」という懐疑的な見方も根強くあるようです。やはり安倍さんとプーチンさんが年明けに会うことで具体的に何が進むのか、最初の一発目の会議というのもあり、非常に注目すべき会議だと思います。

択捉島 – Wikipediaより

河野大臣の記者会見の対応の真意は永田町でも意見が分かれている

飯田)ピリピリしているのかと思いつつも「それはちょっといくら何でも」と感じたことがあります。この間の外相の記者会見で全部「次の質問どうぞ」と言っていましたよね。「外交関係だから喋れない」と言えばいいのに、なぜああいうことを言ってしまうのか。「子供の遊びみたいだ」とロシアまで批判していましたよね。

鈴木)ちょうど昨日、永田町の関係者に取材しました。その話について河野さんの個人的な性格と見るのか、意図的なのかは永田町関係者でも議論が分かれました。あれはマズかった気がしますけれどね。もう少し言い方があったと思います。

飯田)あそこまで言うということは、好意的に見れば「交渉はぎりぎりのところかな?」という解釈もできますけれどね。

鈴木)もちろんそうですが、言い方がありますよね。多くの人はそう思っているのではないでしょうか。河野さんはポスト安倍のなかに名前が挙がって来ている人だから、その辺は「これは私のスタイルです」とツッパって来た人でもあるのですよ。

飯田)党内でも一言居士のところがありますよね。

鈴木)孤立をおそれずにね。それはまた河野さんらしさではあるけれど、昨日の質問無視はどうかな、という感じがしました。

飯田)それこそ大阪で6月にG20があると、そこにプーチンさんも来るから、そこで握手もするのではくらいのことも言われていますね。

鈴木)ベストシナリオはそこでしょう。だけど、政権幹部が言うように道のりは遠い。私はロシアの出方はまだまだ見極めなければいけないと思うし、国内でも「4島一括がいい」という根強い意見もある。現実論としての2島先行を世論は支持しつつありますけれどね。

飯田)世論調査を見ると、だいたい5割くらいは支持されていますよね。

鈴木)その意味では流れに乗っているし現実的な解決策ではあるのですが、やはり懐疑的な意見もある。ロシアの出方ですね。信じていいのか、そこのところですね。

飯田浩司のOK! Cozy up!
FM93AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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