【気象コラム】気になるゲレンデの雪質、5種類あった

By 齊藤愛子

 ゲレンデがオープンする季節となり、ウインタースポーツが待ち遠しい方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 ゲレンデコンディションを左右する「雪質」は、その日の天気や気温などによって変化していくものです。雪質には、どのようなものがあるのでしょうか。

 

絶好のスキー・スノボ日和の斑尾高原 (筆者撮影)

 降ってくる雪は、乾雪と湿雪に分けられます。粉雪とぼたん雪という言葉の方が、なじみがあるかもしれませんね。粉雪は乾雪、ぼたん雪は湿雪です。どちらが降るかは大気の状態によります。

 粉雪は寒く乾いたときに降り、雪の結晶がそのまま落ちてくるのでサラサラです。手で握っても固まらない雪です。一方、ぼたん雪は比較的空気が暖かく、湿っているときに降るベタベタした雪です。溶けた雪がいくつかくっついて降ってくるため、大きな塊で降ってきます。ほかにも雪を表す言葉は日本には多くあり、風花や餅雪、綿雪といった表現もあります。

  雪が積もると、いよいよゲレンデでウインタースポーツを楽しめますね。ゲレンデの雪質も細かく分けると多くの種類がありますが、今回は代表的なものを5種類ご紹介します。

 ◯人工雪 

 シーズンはじめはスノーマシンが作った人工雪のゲレンデも多いでしょう。スノーマシンにはかき氷タイプと水をまくタイプがあります。かき氷タイプは氷の粒を細かく砕いてまくので後述するザラメ雪に、水をまくタイプは気温がしっかり下がっていれば天然雪のようになります。

 

パウダースノー

 粉雪が積もって間もない新雪の状態です。パウダースノーを圧雪したゲレンデは自在にターンが出来、とにかく滑りやすいです。雪がフワフワなので転んでもそれほど痛くなく、初心者の方も一気に上達したような気分が味わえます。

 

ベタ雪

 重雪や、湿り雪、ベタベタ雪とも言います。水分を多く含んでいる雪質なので、重いです。粉雪よりも摩擦が増えて滑りにくくなります。ターンなどの際に足がとられることもあるので注意しましょう。

 

アイスバーン

 日中の気温が高く表面の雪が溶け、夜間に放射冷却で気温が下がって表面が凍ってしまっている状態です。エッジが効きにくく、ターンも難しくなります。なにより転ぶと痛いので、とくに注意しながら滑走しましょう。

 

ザラメ雪

 アイスバーンが溶けて氷が細かく砕けると、砂糖のザラメのような雪質になります。氷の粒になっているので、ターンや方向転換はそれほど難しくないでしょう。

  近年は日本の雪質の良さなどが評価され、海外から多くのスキーヤー、スノーボーダーが集まっています。天気予報を活用して、最高のゲレンデコンディションを狙ってみてください。どんな雪質でも油断することなく、安全にウインターポーツを楽しんでくださいね。

 (気象予報士・齊藤愛子)

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