甲斐キャノン、台湾では「軟銀」の「加農砲」 NPB情報も満載の台湾の野球雑誌

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台湾の野球雑誌「職業棒球」【写真:広尾晃】

アジアウインターリーグの話題を大きく掲載

 台湾プロ野球の機構であるCPBL(中華職業棒球大聯盟)は、「職業棒球」という立派な月刊の機関誌を発行している。CPBLだけでなく、MLBやNPB、KBO(韓国プロ野球)の情報も網羅し、台湾で最も人気のあるスポーツ雑誌の一つだ。この最新号(441号)から、NPBに関連する話題を紹介しよう。

 アジアウィンターベースボールリーグの話題が大きく取り上げられている。今年で6回目のこの大会からは、NPBでは山田哲人、吉田正尚などが台頭、CPBLも今季断トツの盗塁数(44)で盗塁王となった王威晨(中信兄弟)が出ており、若手の登竜門としての意義を強調している。

 11月7日に行われた侍ジャパンとチャイニーズタイペイの試合は、6-5でチャイニーズタイペイが勝利したが、「職業棒球」では5ページを割いて詳報している。前述の王威晨(中信兄弟)は9回表1死で中前打を打ち、二盗を試みたが、甲斐拓也に刺されている。2人の対決は盗塁王と、加農砲(キャノン)の「頂尖対決」だったと一項を設けて紹介している。

 王柏融(Lamigo)の日本ハムへのポスティング移籍も3ページを割いて取り扱っている。王柏融は、CPBL始まって以来の200安打、4割打者、三冠王にも輝いたCPBL最大のスターであり、大王と呼ばれていた。そんなスター選手の流出は大きなニュースだった。記事では2001年のイチローのポスティングによるマリナーズへの移籍、2012年の柳賢振(KBO)のドジャースへの移籍と比較して、王の日本ハムへの移籍を論じた。記事ではNHKが王を「台湾史上最高の選手」と報じたことも伝えている。

 陽岱鋼の活躍などで、すでに台湾の野球ファンのNPBへの注目度は非常に高いが、来季からは王柏融の一挙手一投足に台湾の熱い視線が注がれることになるだろう。

「軟銀」=ソフトバンク、「欧力士」=オリックス、「養楽太」=ヤクルト

 ちなみにNPB球団の名称は漢字名の球団はそのままだが、カタカナ球団の場合、以下のようになる。

ソフトバンク=軟銀
日本ハム=日本火腿
オリックス=欧力士
ヤクルト=養楽太

 ソフトバンクはそのまま「軟銀」だ。

 さらに巻末のNPBコーナーでは、FA権を行使して移籍した丸佳浩と浅村栄斗が写真入りで取り上げられている。

 2人のFA移籍をめぐってさまざまな情報が飛び交ったが、これを「撲朔迷離的FA戦線(まぎらわしいFA戦線)」と題して追いかけている。二人の移籍先には、遠く台湾から気をもんだファンがいたのだ。

「職業棒球」は、MLBやKBOの情報もバランスよく取り上げている。イタリアのプロ野球の情報もある。台湾の野球ファンはこの1冊で、世界の野球の動向が把握できる。写真も豊富で、野球ファンなら言葉がわからなくても欲しくなる一冊だろう。(広尾晃 / Koh Hiroo)