明治鋼業、栃木工場の建屋拡張完成 フォーミング製品の置場拡大、生産効率化

 コイルセンター、フォーミングメーカーの明治鋼業(本社・東京都千代田区、社長・井上憲二氏)は、軽量形鋼やデッキプレートなどのフォーミング製品の製造拠点である栃木工場(栃木県佐野市町谷町)で、今年4月から進めていた建屋拡張工事が完成し、先月27日に引き渡しが行われた。製品置場スペースを拡大して在庫能力を強化。今後、製造ラインのレイアウト変更や自動化、省力化に随時着手し、生産効率向上を図っていく。総投資額は約4億5千万円。

 栃木工場は、同社の溶融亜鉛めっきのデッキ・キーストンプレート、軽量形鋼の生産拠点として2004年1月に設立、同年6月から操業を開始した。Vデッキ、合成スラブ・キーストンのデッキプレート類、C形・溝形の軽量形鋼、スチールハウス用軽量形鋼などを生産。近年では差別化を図るため、一品一様のユーザー向け特殊製品の製造にも注力している。

 工場内では現在、八つのフォーミングラインが稼働しており、品種やサイズレンジによって使い分けている。ただ生産数量や品種が増えるにしたがって工場内の手狭感が顕著になり、製造ラインの動線効率化や製品置場の確保が課題となっていた。今回、工場の既存建屋の西側に棟続きで2725平方メートルの建屋を増設。製品置場として活用を始めた。東北や北陸など地方への出荷体制も大幅に強化された。

 今後は、大型連休などを利用してフォーミングラインのレイアウト変更に着手。特殊中型ラインの4号機、中小サイズの軽量形鋼を生産する5、6号機で、母材コイルヤードから各フォーミングライン、製品置場までを工場内の東から西に流れるよう動線を整備する。また、スチールハウス用軽量形鋼ラインや安全鋼板ラインなどで省力化、自動化、特殊品製造対応の設備投資を順次行う。拡張したスペースでは、グループ会社のアライ技研で行っている薄中板加工の一部移設も検討する。

 明治鋼業ではこれまでも、浦安第一、第三工場(千葉県浦安市)との連携によって現場人員の多能工化や操業の平準化を実施。今回の栃木工場の建屋拡張とライン効率化と合わせて、ライン操業状況に合わせた人員のシフト体制でさらに生産効率を上げ、より競争力のあるユーザー向け特殊製品の製造に注力していく。

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