大晦日&元旦は山小屋で盛り上がろう!人気登山エリアの年末年始情報まとめ 年末年始の予定はもう決まりましたか?せっかくの休みですから、家でダラダラするのも最高!…だけど、山好きなら山で新年を迎えたい!という気持ちも捨てきれない…。実は、通年営業している山小屋や年末年始だけ小屋を開けるところではそんな山好き達が集まって毎年盛り上がっています。今回は、人気の北アルプス・南アルプス・八ヶ岳の3エリアから、気になる山小屋の年末年始の模様をお届け!澄み渡った冬の山で新年を迎える最高の贅沢を体験してみませんか?

年末年始、山小屋で過ごすのはどう?

(書き初め)

年末年始をゆっくりと家で過ごすのもいいけれど、山好きなら山頂まで登らずとも山小屋で年越しするのもありですよね。そこで、今回は一度は参加したい人気の山小屋イベントを紹介します。北アルプス、南アルプス、八ヶ岳の人気3エリアで気になる山小屋の様子や、どんなイベントが催されているのか中身を覗いてみましょう!

【北アルプスエリア】気になるあの小屋はどんな感じ?

(西穂の雪だるま)

最初は北アルプスエリアの燕山荘と西穂山荘を紹介します。ホスピタリティ溢れる燕山荘と通年営業の西穂山荘は共に抜群の人気を誇り、一度は泊まってみたい山小屋です。

燕山荘

「泊まって良かった山小屋」として、初心者からベテランまで幅広い層に人気のある燕山荘。喫茶室での生ビールや名物のホルン演奏など快適で楽しい山小屋です。当然、冬山装備が必要となり、経験者と行動するかツアーに参加するのもいいでしょう。

燕岳中房登山口から合戦小屋まで約6時間で、合戦小屋から燕山荘までは2時間程。なるべく合戦小屋を12時までに通過するよう計画しましょう。また、燕岳登山口の中房温泉までの道路は冬季車両通行止めとなるため、宮城ゲートから中房燕岳登山口まで約13km・5時間程度歩くこととなります。不安な場合は中房温泉に前泊するのも◎。

数多くの手づくりの飾りでデコレートされた山小屋内では写真を撮るのもおすすめ。素敵な年越しの記念になりますよ。

▼山小屋に聞いた年末年始のようす
昨年の大晦日は、夕食時に通常のメニューに加えて年越しそばと振る舞い酒をご用意しました。この日は夜12時消灯とし、皆さん心行くまでゆっくり年越しを過ごします。
元日と2日は“日本一標高の高い餅つき”を開催。元日の朝食はおせちとお雑煮です。また、「一年の計は元旦にあり」と言いますから、書初めコーナーもご用意しています。(燕山荘 スタッフより)

朝食にはお雑煮が供されます。大きなお餅でほっこりお正月気分。

「これからもご縁がありますように」と五円玉が入っています。

新年餅つき大会は正月恒例行事です。

富山湾でとれたブリは縁起物として、燕岳山頂へ奉納するイベントも行われます。

【泊まってみてどうだった?】
燕山荘はリピーターも多い人気の山小屋ですが、年越しはまた格別。大晦日には年越しそばとお酒が振舞われ、名物オーナーの夜話やホルンの生演奏でまったり。元日はお節料理にお雑煮、お年賀までいただいて、正月気分をアゲてくれます。標高2700mで行われる餅つき大会は一番のお楽しみ。大きな杵と臼でついたばかりの柔らかなお餅を、きなこと小豆でいただきました。ブリを燕岳山頂へ奉納する恒例行事にも参加。一尾まるごとのブリを麓から担ぎ上げるさまは圧巻です。
楽しい催しが目白押しで、登山口までの12㎞の長い林道も、シャリバテ気味で登った合戦尾根も、山頂付近の切れ味鋭い強風も、一瞬にして忘れてしまうハレの日の醍醐味がそこにはありました。(by山ネージャー1号)

燕山荘
年末年始の営業情報:2018年12月22日~2019年1月6日(要予約)
1泊:11,000円
アクセス:中房燕岳登山口から約8時間

※安全の面から完全予約制です。(収容人数は積雪、水等の関係から夏期よりずっと少ない人数)

燕山荘 年末年始営業のご案内

西穂山荘

西穂山荘は通年営業のため、冬の北アルプスを楽しむ登山者から特に人気がある山小屋。通年営業の新穂高ロープウェーを利用できるため、山荘までなら比較的来やすいのが特徴です。とは言っても、夏道のコースタイムの倍以上はかかると考え3時間は見ておきましょう。また、積雪の多い日にはラッセルなども必要な場合もあります。万全の雪山装備が必要です。必ず経験者と訪れてください。

☆山小屋に聞いた年末年始のようす
31日の大晦日には振る舞いのお酒と、年越しそばをご提供致します。お客さんと一緒にカウントダウンで盛り上がります。
年始にはおせち風の料理で朝ごはんと、お雑煮もあります。朝食後にはおしるこを振舞いますので、あったまってください。
(西穂山荘 スタッフより)

名物の雪だるまは、1日になると元旦仕様に変身します。

【泊まってみてどうだった?】
カウントダウンイベントで年越し、良い思い出です。
普段、山小屋では消灯時間が早いのに、この日は特別。日が変わるまで夜更かししてワイワイ騒いで楽しかったです。元旦の朝の初日の出は小屋のそばで見ることができるのでありがたかったです。(出来るだけ長く寝ていられるので)

お食事は大晦日の夕食には年越しそば、元旦の朝食にはプチおせち料理、おしるこのお振る舞いも。
正月気分が盛り上がって満足度高かったです。西穂山荘での年越しとてもおすすめです。byヤマレコ/slowlifeさん

ロープウェイ山頂駅の”にしほくん”も、1日は元旦仕様にバージョンアップ!

西穂山荘
年末年始の営業情報:通年営業
1泊:9,800円~
アクセス:新穂高ロープウェイ山頂駅から約3時間

西穂山荘

【南アルプスエリア】きれいでごはんが美味しいあの小屋は?

(仙丈ヶ岳へ向かう登山者)

続いては、南アルプスの玄関口で人気の山小屋の紹介です。北沢峠のこもれび山荘はリニューアルして薪のだるまストーブが雰囲気抜群の快適な山荘に生まれ変わりましたよ。

こもれび山荘

北沢峠のこもれび山荘は、甲斐駒ヶ岳や仙丈ヶ岳へ向かう登山者から人気の山荘です。冬は、山梨県側から北沢峠までの林道が封鎖となるため、長野県側の戸台口からのアクセスとなります。山荘までなら冬山初心者でも比較的挑戦しやすい林道歩きがメインとなります。もちろん、防寒対策やアイゼンは必須です。

▼山小屋に聞いた年末年始のようす
冬季3,000m級に小屋利用で登れる山って実は少ないんです。 しかも、甲斐駒ケ岳黒戸尾根にある七丈小屋も使えば冬季に縦走できちゃいます。アプローチはちょっと長いですがついてしまえば薪ストーブでのんびり。大晦日と元旦はささやかですがじゃんけん大会や、振る舞い酒やお節料理をご用意してあります。また、仙丈ヶ岳、甲斐駒ケ岳、夏と違い冬型に入っての風は一級品です。防風対策はしっかりと。(こもれび山荘 主人より)

夕飯には年越しそばも供され、年末ムードで食事を楽しめます。

ミュージシャンによるライブが開催され、みんなで一体となって盛り上がれます。

大晦日の夕飯は洋風おせちでおしゃれな雰囲気。

元旦の夕食は和風おせちとなり、見た目にも豪華。

鏡割りは、山小屋らしくピッケルで行います。

【泊まってみてどうだった?】
こもれび山荘はリピーターも多く、1度泊まるともう1度行きたくなると感じる山小屋でした。小屋の方々は暖かくとても丁寧な接客で、いつも素敵な笑顔で応対してくれます。食堂は談話室ともなっており、閉鎖的な感じはなく、皆でワイワイ話すような感じです。
私が訪れた年は、毎年来るゲストおうじさんが体調不良で来られませんでしたが、代わりに小屋の女性の方がギターを片手に、歌を歌ってくださいました。OjiさんはFM横浜のザバーンでも小屋の話をしています。

年末恒例じゃんけん大会は大いに盛り上がり、商品はかなり豪華でした。料理も手が込んでおり、食事の提供は毎年必ず予定より遅くなるのもお約束の様ですよ。(リピーターの方は、これも恒例行事だと話されていました)
大晦日より、元旦の方が食事の提供時間が遅くなります。鏡割りも恒例の様で、ピッケルで割る時には、皆さんかなり盛り上がっていました。1時間消灯時間が延長され、鏡割りの後は皆さん寝床に戻られ方はほとんどおらず、飲めや飲めやの宴会状態で、次の日は登られず、下山される方もいるようです。この雰囲気を楽しみに来られる方もいらっしゃるようです。ぜひまた、行きたいと思う小屋でした。
byヤマレコ/momokaharaさん

こもれび山荘
年末年始の営業情報:2018年12月25日〜2019年1月5日(完全予約制)
1泊:10,000円
アクセス:戸台口駐車場から約3時間30分

こもれび山荘

【八ヶ岳エリア】こちらも盛り上がってます!

(冬の赤岳)

最後は、人気の八ヶ岳エリアを見てみましょう。南部は、中腹にある赤岳鉱泉や行者小屋、稜線の赤岳天望荘が営業。北部も、高見石小屋や黒百合ヒュッテ、白駒荘、など冬でも営業している山小屋が数多く、心強いエリアです。

黒百合ヒュッテ

天狗岳登山の拠点となる人気の山小屋・黒百合ヒュッテ。通年営業で、登山のほかスノーシューハイクを楽しめるロケーションで多くの登山客で賑わいます。登山口のある渋の湯まではバスでアクセス可能。山小屋までなら雪山初心者でもチャレンジしやすく、森の中の山道を登ることとなります。雪の状況によってはアイゼンよりもスノーシューのほうが歩きやすい場合もあります。

**☆山小屋に聞いた年末年始のようす
**年末年始はフォルクローレのミニコンサートを、出演者がいる間毎日開催しています。お料理もおせち料理をメインに年越しそばやお雑煮等を出しています。ぜひお雑煮を食べにきてください。(黒百合ヒュッテ 主人より)

晩御飯に出る年越し蕎麦はおかわり自由!

元旦の朝ごはんはおせち料理とおかわり自由なお雑煮です。

(みんなで書初め)

**【泊まってみてどうだった?】
**私が年末年始にこの小屋に宿泊したのは2回目ですが、例年ながら大晦日の午後からは多くの宿泊客で賑わっていました。
夕食前まで客室には入れないので、しばらく1階の待合で待機することになるのですが、あっという間に満員になりました。
それぞれお湯を沸かしたり、本を読んだり、飲んだりして過ごしていました。

夕食後、小屋の名物となっているフォルクローレのコンサートが開催されました。ケーナと呼ばれる縦笛とピアノでゆったりとした時間が流れ、夜が更けていきます。翌日の朝食の後に天狗岳へと登頂しました。行き届いたサービスと登山者たちを楽しませるリラックスした時間を提供していただき、また来たいと思える山小屋の一つではないかと思います。byヤマレコ/frank1985さん

(フォルクローレのコンサート)

黒百合ヒュッテ
年末年始の営業情報:通年営業
1泊:5,500円~
アクセス:渋の湯から約2時間30分

黒百合ヒュッテ

赤岳鉱泉

八ヶ岳最高峰・赤岳へのベースキャンプとして登山者に絶大な人気を誇る赤岳鉱泉。冬季にはアイスクライミングができる人工氷瀑「アイスキャンディ」が登場し、宿泊者は気軽に体験できます。美濃戸口から赤岳鉱泉までならば、道もわかりやすく困難な箇所も少ないため10〜12本爪のアイゼンでなく、軽アイゼンかチェーンスパイクでもOK。雪山初心者におすすめです。

**☆山小屋に聞いた年末年始のようす
**赤岳鉱泉の大晦日ではビンゴ大会を行っています。多数の協賛企業からご提供いただいた山用ウェア、ギア、小物をビンゴしたらプレゼントしちゃうという年末感謝イベント!
ビンゴカードは1枚500円で販売しており何枚買っても可。食堂はお客様で溢れ返って歓声と悲鳴が入り混じる1年最後の運試しです!
ビンゴ大会終了後には年越しそば販売も行います。赤岳鉱泉のビンゴな大晦日を一緒に楽しみましょう!!(赤岳鉱泉 主人より)

(大盛り上がりのビンゴ大会!)

**【泊まってみてどうだった?】
**ビンゴ大会はかなり盛り上がって楽しいです!開始前にお酒一杯配られました。ビンゴの後には年越しそばも出ます。
1日の朝にはお節料理。小屋のスタッフさんも皆テキパキとしていて過ごしやすい山小屋です。あと個室のコタツが最高!この時季の八ヶ岳は本当に寒いですが、この小屋で過ごす時間が好きなのでまた何度も来たいと思わせてくれる、そんな場所です。byA.kida

赤岳鉱泉
年末年始の営業情報:通年営業
1泊:6,000円〜
アクセス:美濃戸口から約3時間30分

赤岳鉱泉

赤岳天望荘

赤岳山頂から約30分のところ、標高2700mに建つ赤岳天望荘。赤岳と横岳の稜線上に位置し、富士山をも望む大絶景を堪能できることでも人気。年末年始の山荘までは雪山登山の装備(アイゼン、ピッケル、目出帽、ゴーグル、インナー&オーバーグローブなど)が必須となり、初心者だけの登山は控え経験者に同行しましょう。美濃戸口からは南沢コースを経由して約5時間30分の行程です。

**☆山小屋に聞いた年末年始のようす
**八ヶ岳連峰の主峰「赤岳」(標高2.899m)から横岳への稜線上の「赤岳天望荘」は冬季年越しの営業山小屋として最も標高が高い場所に位置しています。当然冬山ですので年越しに来る方は、アイゼン・ピッケル・冬季用の装備が必要です。冬山登山に慣れていることが絶対条件。赤岳天望荘で年越しをされる方はいつも常連のお客様。年越しイベントは「じゃんけん大会(山道具や小屋オリジナル物等)年越しそば、振る舞い酒(なぜかワインが多いです!)など。イベントのおつまみは生ハム、元旦はおせち料理です。
6時30分ごろから極寒の中、今か今かと待ち侘びる「初日の出」。みなさん今年一年の思い思いの願いを日の出に願掛けをして、日本で最も標高の高い所での年越しです。※気象状況:最低気温氷点下15℃程度・最高気温氷点下10℃程度(赤岳展望荘 主人より)

大晦日の晩御飯はバイキング形式の食事。さらに、お酒が飲み放題となり賑やかな時間となります。

元旦の朝食は、おせちにバイキングのおかずの組み合わせ。

宴会用には切りたての生ハムが振舞われ、お酒のおつまみにぴったり!

【泊まってみてどうだった?】
新年から赤岳に登るのは、何だかとっても縁起が良くてずっとやりたいと思っていました。赤岳天望荘さんはここにあることが本当にありがたく、無事登頂できただけでなく楽しい年末年始の時間を提供して頂いたことに感謝しています!
この日来ていた方、みなさん同じ山好き同士、お酒を酌み交わしながら山トークに花を咲かせられたこと、とっても良い思い出になりました。by lulu-pei

赤岳天望荘
年末年始の営業情報:2018年12月21日~2019年2月23日
1泊:6,500円~
アクセス:美濃戸口から約5時間50分

赤岳天望荘

年末年始は人気の山小屋で過ごしてみよう!

年末年始の山小屋はイベント盛り沢山で、下界では味わえない特別な時間が過ごせますね。平成最後の年越しを山小屋でするのもおすすめ。とは言え、冬山は危険と隣り合わせであることも忘れずに、装備や登山届け、山岳保険など事前にしっかりと準備をしてから出かけましょう!

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