秀樹とももこを歌で追悼 桑田佳祐が「ひとり紅白」完結編

 茅ケ崎市出身の桑田佳祐(62)が2日、パシフィコ横浜(横浜市西区)で昭和から平成までのヒット曲を一人で歌う「平成三十年度! 第三回ひとり紅白歌合戦」の完結編を開いた。

 エイズの啓発活動「AAA(アクト・アゲインスト・エイズ)」の一環で始まった同企画は、AAAの運動が2020年に区切りを迎えるため今回が最後。会場にはサザンオールスターズのメンバーがサプライズで駆け付け、25年続いた桑田の活動をねぎらった。

 「つらいことがあっても歌っていると、忘れちゃう」

 ドラム、ギター、ホーン隊にストリングスなど23人のビッグバンドを率いたステージでは、紅白のリボンで彩られたスタンドマイクで、山口百恵の「プレイバック パート2」、北島三郎の「与作」など4時間で55曲を熱唱。水前寺清子の「三百六十五歩のマーチ」では、水前寺のこぶしをまね、客席を笑いで包んだ。

 桑田の「8時だョ!」という声に合わせ、「全員集合!」と飛び出したのは、法被姿の原由子(61)ら。6月にデビュー40年を迎えたサザンの5人は、“特別枠”として、SMAPの「世界に一つだけの花」、ドリフターズの「いい湯だな」を合唱。メンバーは「来年はサザンのツアーで会おう!」とファンに呼び掛け再会を約束した。

 紅白歌合戦に戻った終盤は、西城秀樹の「YOUNG MAN(Y.M.C.A)」を力強く歌い、5千人をあおる。「Y.M.C.A」と掛け合う場面では、一部を「M.O.M.O.K.O」に変更。巨大なスクリーンに「ちびまる子ちゃん」のアニメーションが流れる中で、同テレビアニメのテーマ曲として愛された「100万年の幸せ!!」を歌い、今年亡くなった西城とアニメ原作者のさくらももこを追悼した。

 大トリは、横浜出身の大スター、美空ひばりの「愛燦燦(あいさんさん)」。桑田は舞台下から高さ6メートルまでせり上がり、幅18メートルに広がったドレスに真っ赤な炎を映し出して、不死鳥のように揺れながら“歌姫”の貫禄を見せた。

 公演はパシフィコで3日間行われ、計1万5千人を動員。アンコールでは原から「長い間お疲れさまでした」と花束を贈られた。桑田は「また新たな扉を開いて、みなさんに出会えることがあると思います。そのときはよろしく」とあいさつ。走り続けるエンターテイナーを、大きな拍手が包んだ。

スクリーンに「ちびまる子ちゃん」を映し、さくらさんを追悼した桑田佳祐

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