【卓球】張本が初のベスト4進出 勝因は「フォアハンドの進化」<ワールドツアー・グランドファイナル>

*写真:張本智和(JOCエリートアカデミー)/撮影:ittfworld

<ITTFワールドツアーグランドファイナル(韓国・仁川) 2018年12月13日〜16日>

14日、2日目を迎えたグランドファイナルで、男子シングルスでは張本智和(12月度世界ランキング5位・15歳)=JOCエリートアカデミー=の準々決勝が行われた。対するは韓国の張禹珍(同15位・23歳)。今年の韓国オープンではシングルス、ダブルス、混合ダブルスと3冠を飾り、世界にその強さを示した若手プレーヤーだ。

第1ゲーム、張禹珍が台上から積極的に攻めるも、張本のカウンターが炸裂。張禹珍も粘り強くラリーで対応し、デュース戦になるも、最後は張本がネットインでこのゲームを取った。第2ゲームの始まりは熾烈なラリー戦に。張本が徹底して台に張り付き、張禹珍は中陣で粘る構図になるも、ここは張本に分があった。張禹珍は張本の強烈なチキータを防ぐためにロングサーブを多用し、3球目攻撃で仕留めにかかるが、張本のバックハンドがそれを許さない。最後は張禹珍の読みを外す見事なストレート攻撃で、気合十分の張本が第2ゲームを奪取した。

今回のグランドファイナルは韓国開催ということも有り、日本人も観戦に来ていた模様。ゲーム間には「張本頑張れ!」の声が響く。第3ゲームは張本が3点リードでスタート。しかし、ここから張禹珍の逆襲が始まる。処理がしにくいミドルへの攻撃を軸に6-6とポイントをイーブンに戻す。この場面で、張本が思い切ったロングサーブから鋭いバックハンド攻撃でノータッチでポイントし、張禹珍サイドはたまらずタイムアウト。張本の勢いは止まることなく、最後はサイドを切るようなバックハンドでこのゲームを奪取した。

第4ゲームはお互いのボールに慣れ始め、大きなラリーが増える。互いに譲らぬシーソーゲームは張禹珍が粘り勝ち。世界のトップは簡単に張本に白星を与えない。勝負の第5ゲーム、張禹珍は台と距離を取り、チャンスを伺いながら攻める。張本は張禹珍が回り込むタイミングを見計らって見事なストレート攻撃。両者の持ち味が生きるこのゲーム、9-9となったところで張禹珍サーブとなる。張本は張禹珍のフォア前のサーブに対応し、最後はフォアサイドに回り込んでチキータ。完璧な形で勝利した。

張本は勝利後のインタビューで「張禹珍は韓国のスーパースターだから、アウェーの中で100%出し切れるように頑張った。去年より一つ上のラウンドに来れたのはフォアハンドの進化があったと思う」と勝因を分析した。

昨年は準々決勝でドイツのオフチャロフに敗れた張本だったが今年は雪辱を果たし、ベスト4進出。次戦は大島祐哉(同33位・24歳)=木下グループ=をフルゲームで破ったブラジルのヒューゴ・カルデラノ(同6位・22歳)=ブラジル=と、世界ランク1位・樊振東(同1位・21歳)=中国=の勝者と対戦する予定だ。

ワールドツアー・グランドファイナル2日目 日本男子選手の結果

男子シングルス 準々決勝

◯張本智和 4-1 張禹珍(韓国)
12-10/11-8/11-7/9-11/11-9

文:ラリーズ編集部

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