日立、社食にサステナブルな認証シーフードを導入

日立製作所は11日、東京・池袋事業所の社員食堂でサステナブル・シーフード(持続可能な水産物)の導入を発表した。北米で広がっている養殖魚の認証制度BAP(Best Aquaculture Practice)認証の水産物を月に一回提供する。提供を通じて、サステナブル・シーフードに対する社員の認知と理解を促進し、消費者としての購入・選択時の意識改革を図るという。今年3月にはパナソニックがMSC・ASC認証のサステナブル・シーフードを社員食堂に導入している。(辻陽一郎)

サステナブル・シーフードが広がる背景には、乱獲や環境破壊によって水産資源が枯渇していることがある。国連食糧農業機関(FAO)によると、生物学的に持続できない乱獲・枯渇状態にある魚は世界全体の約3割にのぼる。魚を食べられなくなってしまわないように、違法な乱獲による水産物ではなく、海洋環境や水産資源に配慮した漁業・養殖業由来のものを選ぶことが求められている。

日立製作所がサステナブル・シーフードの提供を始めた池袋事業所の従業員は2000人ほど。11月28日に最初のメニューを提供した。理解を促進するためにポスターや映像を流したという。同社の担当者は、「今まで知らなかったが、生活の中でサステナブル・シーフードのマークに気づくようになったという社員もいた。今後は池袋事業所だけでなく、他の拠点にも広げていく」と話した。

3月から導入しているパナソニックも、サステナブル・シーフード導入拠点を増やし、2020年には国内全ての社員食堂での導入を目指している。今後も多くの企業などでサステナブル・シーフード導入が広がっていくことが期待される。

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