県の水源地域申請 共産党委中止要請 石木ダム建設問題で

 県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設問題で、県が水没地と周辺を水源地域対策特別措置法に基づく水源地域に指定するよう国に申請する考えを示したことを受け、共産党県委員会は14日、国への申請中止を県に申し入れた。
 県によると、水没地と周辺が水源地域に指定されると、県が整備計画を策定。国が同計画を決定すれば、県や川棚町がダム周辺を整備する際に、国の助成を優先的に受けられる。事業費の一部を受益者の佐世保市が負担できるようになり、同町や県はより少ない費用で、ダム周辺に広場や公園、道路などを整備できる。
 堀江ひとみ県議らが県庁を訪れ、土木部の天野俊男次長に中村法道知事宛ての申し入れ書を手渡した。堀江県議は、反対地権者のダム建設中止を求める声は強まり反対運動は広がりを見せているとして「石木ダム事業をさらに進める手続きは、断じて容認できない」と批判した。
 天野次長は「整備計画は地域をよくするための事業。現在、反対している方にも理解していただきたい」と述べた。

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