豪雨や津波に備えを 専門家2人が平塚で講演

 ゲリラ豪雨など災害への備えについて考える講演会が15日、JR平塚駅南口のひらつか市民活動センター(平塚市八重咲町)で開かれた。専門家2人が講師として来場。相模川と金目川に囲まれ、大きな水害を受けた歴史もある市域の特性を説明し、避難などに役立ててほしいとした。 

 市民らでつくる「ひらつか防災まちづくりの会」(山田美智子会長)の主催。地域の減災につなげていこうと、地震や水害などテーマを変えながら年2回定期開催しており、この日は約40人が参加した。

 講師を務めたのは平塚市博物館の元主任学芸員の森慎一さんと、民間ベンチャー「地圏環境テクノロジー」相談役の西岡哲さん。

 森さんは同市内の地形や過去の水害の記録について解説。市の西部を流れる金目川について「水田など地域の生活には欠かせない河川だが、急勾配で古くから氾濫を繰り返してきた」と話した。

 7月の西日本豪雨で避難所が浸水し、機能しなかった実例も紹介。「平塚市が指定する避難所55カ所のうち、28カ所は低地や水田地帯に位置し危険。避難所の立地について見直す必要がある」と指摘した。

 西岡さんは、河川や地下水など水循環をコンピューター上でシミュレーションする自身の研究を紹介。1時間100ミリの豪雨で金目川流域が広範囲に氾濫するとしたほか、東日本大震災と同規模の津波が同市を襲った場合に海沿いの地域が大きな被害を受ける様子を動画で再現した。

 西岡さんは「災害時にどういう被害が起こり得るのか、あらかじめ知っておくことが、いざというときに行動の判断材料になる」と強調した。

1時間100ミリの豪雨で金目川が氾濫するシミュレーションを紹介する西岡さん=平塚市八重咲町のひらつか市民活動センター

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