「まだ埋まっていない海がある 止める意味ある」 辺野古のダイバーら

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 沖縄県名護市辺野古が面する大浦湾周辺で15年活動するダイビングチーム「すなっくスナフキン」は新基地建設工事着手以来、海の変化を見つめ、ジュゴンなど生物多様性の消失に胸を痛めてきた。埋め立て後の自然の回復は困難だが、メンバーは「まだ埋まっていない海がある限り、止める意味はある」と話す。(北部報道部・又吉嘉例)

「生物の種類 国内トップ級」「魅力を伝え工事止めたい」

 「『K9』護岸の西側にはジンガサウニが3~4匹いた」「(大浦湾沖の)長島の砂地にはチンアナゴが4~5匹」-。「スナフキン」の西平伸代表(60)=名護市=は、湾周辺に暮らす希少な生物を挙げる。

 チームは湾の生態系を調査して記録に残し、写真展などを通して県内外に発信してきた。湾は狭い海域にサンゴ礁やマングローブ、藻場など多彩な地形と地質が複合している。西平代表は「国内トップクラス5334種の生物がいる」と誇る一方、「いずれも数は少なく、いつ絶滅してもおかしくない」と心配する。

 メンバーの神座(じんざ)森(もり)さん(33)=同市=は「土砂を入れている所にはきれいな藻場が広がっていた。あそこの生き物が埋められていると思うと、かなりしんどい」。東京都出身。中学の修学旅行で訪れた名護市東海岸の海にほれ込み、高校卒業後に沖縄に移住し海に関する仕事を続けている。

 8年前に湾内で操船時「白いかたまり」とすれ違った。後からジュゴンだったと気付き喜んだ。「行くたびに見たことのない生物や光景に出合える。こんな海はただ一つ」と力を込める。

 2017年2月、政府が埋め立て本体工事に着手し、海にフロートが張られた。神座さんは「空撮ではフロート内が明らかに濁っていた。生物の行き来が遮られ、護岸で潮の流れが変わる」。西平さんは「ジンガサウニも、潮が強く当たる場所でないと生きられず、恐らくもういない」と推測する。辺野古海域では3年以上、ジュゴンが確認されていない。神座さんは「この海の素晴らしさを知ってもらえれば、工事を止めることにつながるはず。もっと海の魅力を発信していきたい」と誓った。

 

 

大浦湾の生物種の多様性について話す西平伸さん=13日、名護市瀬嵩・市役所久志支所