2016年高校選手権V右腕が女子プロ野球デビューを振り返る 「すごく良い経験」

京都フローラ・龍田美咲【写真提供:日本女子プロ野球リーグ】

2016年の高校選手権優勝投手となった京都フローラの龍田美咲

 女子プロ野球・京都フローラの龍田美咲投手は高卒2年目の今年にトップチームに昇格を果たすと19試合に登板し5勝2敗、1セーブ、防御率3.82の成績を残した。

 神戸弘陵時代の2016年には高校選手権優勝投手となった龍田。プロ相手にも堂々たる投球を姿を見せつけ成長した姿を見せつけた。先発ローテーションの一角としてシーズンを戦い抜いた19歳右腕の素顔に迫った。

――今シーズンを振り返って、感じていることを教えてください。

「今年はトップチームに昇格して初めてのシーズンで、始まるときは緊張と不安でいっぱいでした。でも試合を重ねるに連れて、徐々にトップチームの試合感や雰囲気に慣れてきたなと感じながらプレーしていました。フローラは私含めて若い選手が多い中、先輩方にはたくさん支えてもらいました。シーズン通してプレーしやすい環境を作ってくださったので本当に感謝の気持ちでいっぱいです」

――投手5部門でベスト5にランクインと素晴らしい活躍、今シーズンで何か手応えを掴めたのではないでしょうか?

「自分にとって自信に繋がった1年になりました。特に自分の持ち味であるストレートの力強さで、各チームの強打者たちと対戦でき、結果を残せた試合もあったので、すごく良い経験になりました。個人成績で最高勝率がシーズン終盤までトップだったのですが、最終的に2位になりました。あと一歩だったので、めちゃくちゃ悔しかったですね。(笑)」

――好調の要因、自身のルーティンなどは?

「試合の日に、お風呂に入ることです。中学校からずっと続けていて、必ず湯船に浸かっています。体も温まりますし、気持ち的にすっきりさせて試合に臨むようにしています」

――シーズンを振り返る中で一番心に残っている試合?

「10月7日の女王決定戦の1戦目(フローラ0-8ディオーネ)です。とにかく普段の試合と違う雰囲気で、シーズン通して1番緊張した試合だったと思います。シーズン中は、調子が悪いなと思ったら立て直すことができていたんですが、あの時は意識すればするほど悪い方に進んでしまったことを覚えています。ボールが投げたい所にまとまらず修正することに意識を持っていったら、フィールディングでミスをしたり、色んな部分に影響が出てしまいました。

 何より年間女王がかかった大切な試合でしたし、チームにとって肝心な試合を落としてしまったことが本当に悔しかったです。プレーの未熟さ、緊張感に負けてしまったメンタルの弱さを含め、まだまだ、だなとすごく良い経験をさせてもらった試合でした」

――1年間ローテを守りぬいた2018年シーズン、来季の目標は?

「チームとしては今シーズン逃した完全優勝をして、個人としてシーズン5勝以上、タイトル獲得をすることです。来シーズン完投勝利にもこだわっていきたいです。一人でも多くバッターへ投げ、抑えたいと思っています。シーズンが進むにつれ、先発した試合の4、5回につかまることが多かったので、体力や下半身の強化は必要だなと感じています。シーズンオフの期間は走りこみ、階段ダッシュをして体力面と下半身強化に取り組んでいきます」(Full-Count編集部)

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