金属行人(12月17日付)

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 ステンレス冷延輸入は9、10月と若干減少したが、なお高水準が続いている。アジアの供給過剰構造や市況低迷、国内のメーカー再編などを背景に、今後も一定規模の輸入が続く可能性は高い。流通しやすいのは一般店売り市場であり、ある海外大手の関係者は「日本のヒモ付き市場はロットが小さいし、使い勝手や表面仕様に関するユーザーの注文が細かい。手間を考えると割に合わない」という▼逆の立場で、ある国内メーカーの技術幹部は「汎用鋼種のSUS304冷延にしてもユーザーニーズに即してカスタマイズしている。他社の同じ鋼種を全く同じに使えるわけではない」という。市場関係者には異論もあるが、この2氏が少数派とも思えない▼国内材と輸入材の内外価格差も前提条件を踏まえて捉えられるべき性質のものだろう。ニーズの把握から製造、精整、配送、アフターサービスに至るきめ細かい管理や顧客対応には当然コストがかかる。それは信頼性の維持・向上に不可欠なコストであり、ヒモ付き・店売りを問わずユーザーの製品の品質に直結するものだ▼国内メーカーのコスト競争力強化は産業発展における絶対条件だ。同時に一物二価の一物とは何かも、真面目に考えられるべきだろう。