入ったら最後、物欲爆発!? 編集部の気になるショップ探訪
裏原ブランドが大ブームとなった90年代、「東の渋谷」といわれオシャレな若者が集った千葉県柏市。柏駅前から少し離れた裏通りには古着屋や雑貨店が軒を連ね、「裏原宿=ウラハラ」に倣って「裏柏=ウラカシ」と呼ばれるエリアがあります。
そんな「ウラカシ」で、気になるセレクトショップを発見。ウィンドウから見えるマウンテンジャケットやフリース、壁にかかっているザックから、山の気配がぷんぷんしているこのお店。山好きとしては入らずにはいられない!ということで、中を覗いてみることに。いったいどんなショップなのでしょうか!?
街とフィールドを繋ぐセレクトショップ“st. valley house”
気になるショップの名前は“st. valley house(セントバレーハウス)”。足を踏み入れてみると、アウトドアブランドのウエアや小物類が壁一面にまでびっしり!
老舗からガレージメーカーまで、山でもお馴染みの人気ブランドが並んでいます。アウトドア好きがグッとくるアイテムの数々に、思わず目を輝かせてしまうはず。
そんな店内で迎えてくれたのは店主の濵谷さん。
“st. valley house”は、『アウトドアギアを使ったワクワクする生活』を提案するセレクトショップ。2017年にオープンし、仕入れから接客、WEBショップやSNSまで、全ておひとりでやられているとのこと。
もともと音楽やアウトドアファッションが好きで、アウトドアギアの機能性の高さやウエアの着心地の良さを感じていたという濵谷さん。
20代後半からトレランを始めたり、古着・雑貨のバイヤーをしていた経験もあり、『日常でも機能的でかっこいいアウトドアファッションを楽しんでほしい』という想いから、このお店をオープンしたそう。
「自分がほしいもの、かっこいいと思ったものを置いていますが、フィールドで使わないとただのファッションになってしまうから、それは嫌なんです。実際に使ってみて、機能面もいいなって感じたものをセレクトしています。」
そんなアイテムを見つけるため、おもしろそうな人がいたら会いに行くのだとか。
「どういう人が作っているのか会ってみたい。どういう想いで作っているのかって、商品を見ただけではやはり分からないんですよね。山の知識も経験も多くはないので、やはり実際に会ってみて教えを請ています。」
あれもこれも欲しくなっってしまう魅惑の空間は、作り手の思いをしっかりと汲んでセレクトした魅力的なラインナップによるものでした。今回は、そんな“st. valley house”より、アウトドア好きならチェックしておきたい注目ブランドを厳選してご紹介します。
知っておきたい! 注目ブランド&おすすめアイテム
店主・濵谷さんに、注目のブランドやおすすめアイテムを教えてもらいました。
【1】SIERRA DESIGNS(シエラデザインズ)
アメリカのアウトドアブランド<SIERRA DESIGNS>。60/40(ロクヨン)とよばれる高機能素材を使用したマウンテンパーカーは、アウターシェルジャケットの原点であり、今年で発売50周年と今や定番のアイテム。
そんな<SIERRA DESIGNS>の中でも、店主のおすすめは『クルーネック・ダウン・ベスト』。
70年代に存在したクラシックなダウンベストをアップデートしたモデル。US製60/40クロス&ダウンを使用した、使い勝手の良いクルーネックダウンベストです。
濵谷さん
クラシックな雰囲気が◎で、フード付きのスウェットが着られて便利。
【2】USEDアイテム
実は、古着の取り扱いもある“st. valley house”。オールドの<PENDLETON(ペンドルトン)>や90sの<Patagonia(パタゴニア)>など、往年のアウトドアブランドで状態の良いものが出たら仕入れているそうです。
濵谷さん
現在のアウトドアアイテムにはないディテールや生地感がとても魅力的! クラシックなアイテムに想いをよせるのも楽しいですね。
【3】BROWN by 2tacs(ブラウン バイ ツータックス)
スタイリストであり・古着愛好家でも知られる本間良二さんが作るデザイナーズブランド<BROWN by 2tacs>。生地には特にこだわっており、アウトドアで使用される機能素材や天然素材を使用したアイテムが揃います。
古着にもスポーツウエアにも合い、特別なコーディネートをしなくてもサマになるそう。この日も、<BROWN by 2tacs>のフリースジャケットをサラッとかっこよく着こなしていました!
濵谷さん
着ていて気持ちがいいんです。US産のアウトドアやワークのディテールが満載だったり、生地が経年変化したり、シルエットが良かったり。大人が着たいワークウエアですね。
まさに街で着る『活動的日常着』。個人的に山にも着て行っています。
【4】ECWCS(エクワックス)
アメリカから仕入れているという、デッドストックの軍モノのフリース。アウトドアブランドが多用するPolartec®Thermal Pro High Loft(ポーラテック サーマルプロ ハイロフト)を使用しています。毛足が長く着心地と保温性が抜群!
それもそのはず、<ECWCS>の正式名称は「Extended Cold Weather Clothing System(拡張式寒冷地被服システム)」であり、超低温下にも適応するように米陸軍が開発した高機能な戦闘用衣類なんです。
濵谷さん
アウトドア製品特有のタイトなシルエットではなく、ロゴも付いていなくてシンプルなデザインなので、アウトドアだけでなく普段使いとしても活躍してくれる一枚です。
【5】MOUNTAIN EQUIPMENT(マウンテンイクィップメント)
山をやってる人ならご存知、シュラフなどのダウンアイテムが有名なイギリスのアウトドアブランド<MOUNTAIN EQUIPMENT>。店主のイチオシは、こちらの『クラウド・セーター』。名前の通り、雲のように軽い着心地のプルオーバータイプのダウンセーターです。
800フィルパワーのヨーロピアンホワイトグースダウンを使用しているので抜群の暖かさ。スタッフサック込みの総重量が300gを切るハイブリッドダウンです。
濵谷さん
耐久撥水加工&ダウンプルーフ加工(ダウンが中から出てこない)がされた表生地や、内側も撥水ダウンを使用しているなど本格仕様。冬山のテント泊やウィンターハイク、キャンプに最適です!
【6】RawLow Mountain Works(ロウロウマウンテンワークス)
トレッキング・マウンテンバイクなどの外遊びを得意とする、日本のマウンテンギアブランド<RawLow Mountain Works>。クラシックなアウトドアブランドを彷彿とさせる可愛いいルックスと、アウトドはもちろんそのままタウンユースができる汎用性の高さが人気です。
1000デニールナイロンを使用したヘビーな生地から、薄くて軽く防水性に優れたウルトラライトな生地まで、バリエーションに富んだ生地選びも魅力的。山でも愛用ハイカーを見かけることが多いですよね!
濵谷さん
特にタビチビトートは、荷物の量にあわせて形も変えられるので、山もキャンプも旅行も街も、ほぼほぼこのバッグを携帯しています。
【7】RIDGE MOUNTAIN GEAR(リッジマウンテンギア)
山で過ごす時間やそれにいたるまでの日々の生活を、シンプルに過ごすための道具を作られている日本のガレージメーカー<RIDGE MOUNTAIN GEAR>。
軽量で高い防水性のあるハイブリッドキューベンファイバーやX-pacなどの生地を使った、シンプルで機能的なバッグや小物が充実しています。
濵谷さん
ハイブリッドキューベンにプリントを施したり、新しい発想やアイデアから今後も目が離せないブランドです。山はもちろん、街で使っていてもスタイリッシュでカッコイイですよ!
【8】JERRY UKAI(ジェリー鵜飼)
ウエアやギアとはまた違った角度での店主おすすめの逸品は、小説『ジェリー・マルケスと一緒に観たあの景色のことは忘れない』。
著者はアートディレクター・イラストレーターで、<ULTRAHEAVY(ウルトラヘビー)><MPB(MOUNTAIN POOR BOYS)>のメンバーでもあるジェリー鵜飼氏。アメリカのコロラドを舞台にした、何とも愛嬌のある“jerry”の物語です。
濵谷さん
ジェリー鵜飼さんだから書けるとても素敵な内容の小説です! 「実はまだ読んでない」という方、意外といらっしゃるんじゃないでしょうか!?
【9】HALFTRACK PRODUCTS(ハーフトラックプロダクツ)
今までにないキャンプギアやバッグ・小物を製作するガレージブランド<HALFTRACK PRODUCTS>。通帳を持ち運べるサイフや、どこに行ったか忘れてしまう駐車場のチケットを入れるサイフなど、かゆいところに手が届くアイテムが豊富です。
山やキャンプで使用する寝袋を、ロフトを保ったままオシャレに保管できるクッションカバーもおすすめ。
濵谷さん
アウトドアギアに寄りすぎた、世の中に多く出ているプロダクトではない「こうゆうのがあったらいいのにな!」をかたちにされているところに惹かれますね。ありそうでなかった画期的なアイテムが新鮮です。
【10】MOUNTAIN POOR BOYS(マウンテンプアボーイズ)
JBS・ジェリー鵜飼・JUN OSON によるユニット<MPB>。ULハイクを軸に、沢登り・バイクパッキング・フィッシング・ファストパッキングとアート・音楽・ファッションなど、様々な遊びを縦横無尽に行き交うグループです。
そんな<MPB>のロゴがプリントされたスウェットパーカーが店主のおすすめ。
濵谷さん
ULシーンにどっぷりの方々ですが、あえて機能的な生地ではなく、コットン100%で作ったカウンターカルチャー的なところが◎。
展開をスタートするときに「なぜ、コットンで作ったの!?」と聞いたら、「365日山にいるわけじゃないし…コットン気持ちいいから!!」と返ってきました(笑)。
【11】AKIHIRO WOODWORKS(アキヒロ ウッドワークス)
天然の無垢材から手彫りで一点一点仕上げる<AKIHIRO WOODWORKS>の木製カップ『JINCUP(ジンカップ)』。木目や色合い、木の節が全て違うので、どれを選んでも世界で一つだけのカップです。
濵谷さん
こういった愛着のあるものを、自宅だけではなく山にもキャンプにも持って行きたいですね!
【12】Lue(ルー)
真鍮を用いたプロダクトを製作している岡山県瀬戸内市発のブランド<Lue>。スポークなどのカトラリー類は登山にもぴったり。山ごはんの時間をさらに楽しくしてくれます。長く愛用でき、家へ野外へ、どこへでも持ち歩きたくなるはず。
濵谷さん
洗練されたデザインと、使うほどに味が出てくる経年変化がたまりません。ギフトとしてもオススメです。
機能的な“アウトドアアイテム”で、街もトレイルも遊びつくそう!
“st. valley house”に並んでいたのは、着ていて快適で、なおかつカッコいいもの。コンセプトの通り、『街とフィールド』『日常と非日常』でクロスオーバーする、高い機能性とファッション性を兼ね備えたアイテムが揃うショップでした。
山好きのみなさんもアウトドアウエアやギアの優秀さをきっと知っているはず。山でも街でも、アウトドアファッションでオシャレを楽しんじゃいましょう!
st. valley house
住所:千葉県柏市柏3-5-7 オークビル101
電話番号:04-7161-2400
※WEBショップでSOLD OUTでも店舗に在庫がある場合もございますので、気になるアイテムがありましたら“st. valley house”にお問い合わせください。