【ライブレポート】TK from 凛として時雨、めぐろパーシモンホール 大ホールで行われた「Acoustic fake show vol.1」オフィシャルレポート!

2018.12.14 TK from 凛として時雨

「Acoustic fake show vol.1」@めぐろパーシモンホール 大ホール

12月14日、TK from 凛として時雨がめぐろパーシモンホール 大ホールにて「Acoustic fake show vol.1」を開催した。この日は通常のバンド編成ではなく、タイトル通りのアコースティック編成。ピアノにちゃんMARI(ゲスの極み乙女。)、ヴァイオリンに雨宮麻未子、チェロに村中俊之が迎えられ、ソロと凛として時雨の楽曲が一夜限りの特別なアレンジで披露された。

薄暗いステージに一筋の光が射し込む中、3人のメンバーに続いてTKが最後に姿を現すと、一曲目は“contrast”でスタート。TKのアコギと歌にピアノと弦が寄り添い、クラシカルであり、叙情的な雰囲気が生まれていく。ヴァイオリンとチェロによるノイズから始まった“seacret cm”では、アコギにディレイをかけて、空間的な音響を作り上げた。

一転、“showcase reflection”ではバンド編成のときと同様に、TKがテクニカルなフレーズを激しく弾き、“re:automation”でも暴力的なコードストロークを奏でると、それに合わせるかのように、ちゃんMARIの演奏もテンションが上がり、TKはシャウトを響かせる。また、“Signal”や“an artist”ではTKの歌をメインに、ドラマチックなアンサンブルが展開された。

簡単な挨拶を挟み、“fourth”のメランコリックかつ温かみのあるメロディーに会場が包まれると、「懐かしい曲をやります」と言って始まった“make up syndrome”ではTKもピアノを弾き、ちゃんMARIと連弾のような形に。ここで一度ちゃんMARIと雨宮がステージから捌けて、TKと村中の2人になると、“感覚UFO”ではアコギとチェロによるスリリングなセッションを披露。さらには、TKが一人ステージに残ると、弾き語りで新曲が届けられた。TKの歌の表情を改めて浮き彫りにするのは、やはりアコースティック編成ならではだ。

「弾き語りは僕にとって一番過酷です。そのヒリヒリ感も楽しんでください」と話すと、再び3人のメンバーが戻ってきて、“dead end complex”ではバンドのようにタイトなキメが挿入される。ピアノと歌を主体にしっとりと届けられた“unravel”に続いて、最後に披露されたのはTK from 凛として時雨の最新シングル『katharsis』に収録の“memento”。序盤はピアノと弦のみで静謐に始まったが、途中からはこの日唯一となる歪んだテレキャスターを弾き倒し、轟音の中で本編が終了した。

アンコールでは、TKがちゃんMARIのピアノの前に座り、再び「弾き語りは過酷ですね。笑」と話してから、“tokio”へ。繊細なTKの歌に、途中から弦とピアノも加わって、美しいアンサンブルを奏でていく。ラストに届けられたのは、“Missing ling”。TKの弾き語りに始まり、徐々にカオティックな展開に突入すると、アコギ、ピアノ、ヴァイオリン、チェロが混然一体となり、その中でTKが振り絞るようなシャウトを聴かせる。最後は再び弾き語りに戻ると、厳かな雰囲気の中、貴重な一夜が幕を閉じた。

text by 金子厚武 photo by 河本悠貴

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