白球に歓声 現役球児が横浜で教室 裾野拡大へ県連が試み

 野球の面白さを子どもたちに伝えて野球離れを防ごうと、小学生や幼児向けの野球教室「野球であそぼう2018」が15、16の両日、横浜市保土ケ谷区のサーティーフォー保土ケ谷球場などで開かれ、延べ約700人の子どもが楽しんだ。県高野連が初の試みとして主催し、現役高校球児らが、子どもたちに野球の魅力を発信した。

 「やったー!」「打てた!」-。神奈川高校野球の“聖地”保土ケ谷球場に、いつもと違う甲高い声が響いた。

 子どもたちは、ボールをパネルに当てる「ストラックアウト」や、現役の高校球児たちとキャッチボールをするなど、思い思いに楽しんだ。高校生によるシートノックの実演も行われたほか、この夏まで横浜高のエースだった板川佳矢投手(3年)がU-18(18歳以下)日本代表のユニホームで登場し、写真撮影などに笑顔で応じた。

 コーチ役を務めたのは、横浜高や白山高など13校の野球部員およそ400人。棒の上に置いたボールを打つ「ティーボール」で子どもがうまく遠くへ打球を飛ばすと、「ナイスバッティング!」「ベイスターズに入れるかも!」などと声を掛けて、子どもたちと存分にふれ合った。

 ティーボールを楽しんだ小学3年生の栗本壮真君(9)は「高校生から『ボールの下側を打つとよく飛ぶよ』と優しく教えてもらい、その通りにできた。野球を習おうか迷っていたけど、やってみたい」と笑顔。横浜高の内海貴斗主将(2年)は「自分たちが元気をもらえた」と充実した表情で語った。

 イベントは県高野連の橋本大志理事(30)=高浜高監督=ら若手理事が企画した。同高もこの秋は合同チームで大会に出場するなど、部員不足の学校が増えている現状に野球離れを肌で感じるという。日本中体連の調査でも、県内中学校の軟式野球部員は2017年度が9517人で、10年前より4割近く減少している。

 初の試みが盛況に終わり、橋本理事は「野球をとことん楽しんでもらうために、野球を全くやったことがない子でも楽しめるイベントを考えた。何年か後に『あのとき野球に触れて、そのまま続けてます』っていう子と、高校野球を盛り上げられたら」と話し、今後も活動を継続していくという。

コーチ役の高校生がトスしたボールをバットで打つ子ども。「いいね」「その調子」などと高校生からの声援が飛んだ=横浜市保土ケ谷区のサーティーフォー保土ケ谷球場

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