佐賀知事に山口氏再選 長崎県からも意見、要望

新幹線、オスプレイ、玄海原発

©株式会社長崎新聞社

 佐賀県知事選は16日投開票され、現職の山口祥義氏が再選した。長崎県と佐賀県は九州新幹線長崎ルートなどを巡り、折り合えていない課題が重なる。長崎県関係者からも山口氏への注文や要望が聞かれた。

 ■新幹線長崎ルート
 「おめでとうございました。またお電話します」。17日昼、八江利春・県議会九州新幹線西九州(長崎)ルート整備特別委員長は山口氏の携帯電話の留守電にメッセージを吹き込んだ。全線フル規格実現へ佐賀県側に要望を重ねる構えだ。
 山口氏は公約で整備方式が未定の新鳥栖-武雄温泉のフル規格化は財政負担などから「受け入れられない」と記した。それでも八江氏は「財源確保の見通しがつけば説得できる」と信じる。廣畑健次・県企画振興部次長は「整備方針が早期に決定されるよう両県の実情や意向について佐賀県と意見交換したい」と話す。

 ■諫干開門調査
 国営諫早湾干拓事業の潮受け堤防排水門の開門調査問題を巡っては、山口氏は開門を含む有明海の環境変化の原因究明を「必要との思いは変わっていない」としながら、福岡高裁が示した非開門前提での和解協議継続を求める姿勢。開門確定判決の原告である島原市の漁業、中田猶喜さん(68)は「今まで以上に漁業者に寄り添い、開門に向けて努力を」と望んだ。
 一方、国は開門せず有明海再生のための100億円基金で和解を目指す。開門反対派の諫早湾防災干拓事業推進連絡本部の栗林英雄本部長(84)は「今のままではいつまでも解決しない。有明海全体の環境改善のため国の方針に賛同してほしい」と訴える。

 ■オスプレイ
 陸上自衛隊が導入する輸送機オスプレイの佐賀空港配備計画では山口氏が8月に受け入れを正式表明。オスプレイは佐世保市の陸自相浦駐屯地に発足した水陸機動団と一体運用される。今後反対する佐賀県の地元漁協と協議が本格化する。
 軍事評論家の前田哲男さんは「投票率は低かったが信任を受けたとして配備に向けた動きが進んでいくだろう。正式に決まれば佐世保をはじめ九州各県で訓練が実施され、オスプレイが頻繁に飛来するようになるだろう」と予測する。

 ■玄海原発
 九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)から最短約8・3キロの松浦市鷹島町からは避難対策への注文が上がった。有事の際の避難計画では、同町民はいったん原発に近づく形で佐賀側に橋を渡り佐賀県道などを南下する陸路避難が想定されている。同町の会社経営、金井田豊秀さん(73)は避難路の整備、改善が進まない状況を挙げ「避難をスムーズにさせるには佐賀県内の道路整備が鍵を握る。ぜひ原発立地自治体の長として速やかに対応を」と求めた。