電線関連産業労働組合連合会、来春闘でベア3000円以上要求 一時金は5カ月分中心

 全日本電線関連産業労働組合連合会(全電線、中央執行委員長・岩本潮氏)は2019年の春闘で、35歳標準労働者賃金で3千円以上のベースアップを要求する方針を固めた。要求額は前回と同額で、ベアを求めるのは6年連続。一時金は生活保障分と成果反映分を合わせて引き続き5カ月分中心で要求する。今後加盟単組と調整し、来年1月31日に大阪事務所で開かれる中央委員会で正式決定する。

 要求素案は神奈川県熱海市のホテル大野屋でこのほど開かれたシンポジウムで固めた。ベアは3千円以上を求め、各単組の実態に応じた「電線産業にふさわしい賃金」目指す方針だ。挨拶に立った岩本委員長は、改善してきた景気に触れつつも米中貿易摩擦などの不確実性もあると指摘。電線業界の状況については今年度の銅電線需要は2年連続で増加するとの見通しを示した。その中で上部団体の方針を踏まえつつ、組合員の生活不安の払しょくや社会性を勘案した活動を進めていくと説明した。

 全電線は電線関連の産業別労働組合。現在は加盟・準加盟を合わせて37単組で組織されており約2万4千人の組合員を擁している。

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