対談―利岡コレクションとは【大分県】

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利岡さんの人柄などを語る岩沢有径さん
岩沢有径「No.010612」(2012年)

 大分市寿町の県立美術館企画展「現代アートの宝箱 OPAM利岡コレクション」の開催に合わせたトークイベントが8日、同美術館で開かれた。関西を中心に現代美術の名コレクターとして知られた利岡誠夫さん(1926~2018年)の人柄やコレクションについて現代美術家の岩沢有径さんと新見隆館長が語り合った。

 展覧会は、製薬会社の研究者だった利岡さんが約30年かけて集めたコレクションの中から245点を展示している。利岡さんからコレクションの取り扱いの相談を受けた岩沢さんの提案により県立美術館への寄贈が実現した。

 岩沢さんは、利岡さんのコレクションの姿勢について「純粋に自分が欲しい物を集めていた。将来(価格が)高くなりそうなんていう悪いまなざしを持つと良くない―と伺った」。ギャラリーを訪れ作家と会話をして人柄を見極めたうえで購入していたという。

 今回の企画展には岩沢さんの作品もある。「私の知人の作品は(早くに)購入していた利岡さん。私の展覧会場にも来ていただいたが、なかなか購入してもらえなかった」と苦笑い。

 利岡コレクションの整理を依頼された岩沢さんは「利岡さんが暮らすマンションは3室あったが、歩く所以外は作品でいっぱい。作品が入った段ボールを開けてみると心が震えるような素晴らしい作品ばかりだった」と振り返った。

 新見館長は、利岡コレクションについて「日本や世界美術のリーダーとなっている作家の作品がある。作品は小品だが、作家がものづくりしている雰囲気が伝わってくる。インスピレーションの源を感じる」と紹介。利岡さんの狙いは「僕なりの言葉で説明すれば、洋風なコレクションではあるが、新しい禅の世界を追求しているようだ」と分析した。

 企画展の楽しみ方について「利岡さんは自分なりの目で見て作品を集めた。見るということは(作品を)作ることと同じくらい『おしゃれでかっこよくクリエーティブである』とし、自分のお気に入りの作品を見つけ心の中に持ち帰ってほしい」とアドバイスした。

 ▽企画展は来年1月20日まで。ギャラリートークは21、28日(いずれも午後4時)と来年1月13日(同2時)。観覧料は一般300円。大学・高校生200円。中学生以下無料。

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