生協連が海のエコラベル認証サバ缶、PBで国内初

日本生活協同組合連合会は12月21日、海のエコラベルであるMSC(海洋管理協議会)認証を取得したサバの缶詰を発売する。国内小売のプライベートブランド(自主企画商品)による認証付き缶詰は、国内で初めて。「北欧さばフィーレ」はノルウェー産のサバを使用し、水煮とオイル漬の2種類。生協連は、水産部門の供給高に占める認証商品の割合を2020年までに20%以上とする目標を立てている。(オルタナ編集部=堀理雄)

世界の魚介類の消費量は上昇を続けており、「世界漁業・養殖業白書2016」によれば、この40年ほどで過剰漁獲や枯渇状態の水産資源の割合が10%から31%に上昇している。

世界の水産資源の状況

そこで、漁獲量や漁法、漁の時期、生態系などに配慮した漁業で獲られた持続可能な水産製品を認証するのがMSC認証だ。「海のエコラベル」とも呼ばれる。同じく持続可能な養殖場での水産物に対しては、ASC(水産養殖管理協議会)認証がある。

生協連は、サバの味噌煮パックや魚肉ソーセージなどのMSC認証商品や、宮城県産のカキを使用したASC認証商品などの開発を進めてきた。水産部門の供給高に占める両認証付き商品の割合は現在17%。これを2020年までに20%以上にする目標を立てている。

生協連が今年11月から12月にかけて組合員約3900人に実施したアンケートでは、MSC認証マーク付きの商品を「購入したことがある」と答えた割合は19.3%、「見たことはあるが購入したことはない」は10.4%、「見たことがない」は47.6%だった。一方、購入したいかどうか尋ねた設問では、「購入したい」と答えた割合は56.9%だった。

「北欧さばフィーレ」の参考価格は税抜248円だ。広報担当者は「骨や皮を取り除き料理にも使いやすいよう商品化した。健康志向の高まりなどサバの人気は高まっており、そうした商品がMSC認証を取得することで、広く消費者の認知度を高めていきたい。今後認証商品の魚種の拡大や、水産以外の部門での展開を進めていく」としている。

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