本田翼が加害者家族を演じる「東野圭吾 手紙」。「この役について考え出すと迷いは尽きませんでした」

本田翼が加害者家族を演じる「東野圭吾 手紙」。「この役について考え出すと迷いは尽きませんでした」

12月19日に放送されるテレビ東京系のドラマスペシャル「東野圭吾 手紙」。今作は、兄・剛志(佐藤隆太)が強盗殺人を犯した日を境に、“殺人犯の弟”というレッテルのもとに社会からさまざまな差別を受け続ける主人公・武島直貴(亀梨和也)の苦悩と葛藤を描いたヒューマンドラマです。

そんな直貴を精神的に支え続け、後に妻となるのが本田翼さん演じる白石由実子。今作で自身初となる母親役を演じた本田さんに、由実子を演じる上で大事にしてきたことや、2018年を振り返ってみての感想など、たっぷりお話を伺ってきました。(最後には本田翼さんのサイン入りポラプレゼントも実施中。詳しくは【プレゼント】欄をご覧ください)

──以前に雑誌で、本田さんが愛読書として東野圭吾さんの「幻夜」(集英社)を取り上げていらっしゃったのを拝見しました。東野作品はお読みになられることが多いですか?

「考えてみると、意外と読んでいるかもしれないですね。『幻夜』の前作と言われている『白夜行』(集英社)も読みましたし、このドラマの原作の『手紙』も『秘密』(ともに文藝春秋)も読んでいましたし…。最近、本を読むようになったんですよね」

──東野さんの作品に対して、どのような印象をお持ちですか?

「読んだ後に、考えさせられる作品が多いですよね。それも暗い影を落とす、というより『あれは何だったんだろう?』と、誰かと話せる終わり方をする作品が多い気がします。今回の『手紙』だったら、『もし今後、自分が加害者家族と接する時、自分はどう接して、どう生きるのだろう?』とか、人と話したくなるような後味が残る作品が多い印象ですね」

──原作を読んだ時と、今回のドラマで演じる側になってから感じた「手紙」に対する印象に変化はありましたか?

「読者として読んだ時は『はぁ、すごい作品を読んじゃったな…』と思いました。自分が罪を犯さない限り大丈夫というわけではなく、家族が罪を犯したら自分もこの立場になるわけですから。遠いようで、実は身近に起こりうるということに気付いて、怖いなと思いました。それを今回ドラマ化すると聞いた時、この題材をドラマにするということにまず驚きました。加害者家族からの視点のストーリーをプライムタイムで放送するというのは、かなり挑戦的だなと思いましたね」

──本田さんは、お母さまからもらった手紙を今でもずっと大事にしているとのことですが、由実子は家族をかけがえのないものとして大事にしている部分があり、そこが共通点のように感じます。いかがですか?

「由実子は、過去に悲しいことがあったけど、微塵もその陰を見せない女の子で、私との共通する部分はあまり見つからなかったんですよね。でも、彼女の家族というものに対する憧れは何となく分かります。自分も家族は大事にしていますし、もし自分が結婚したら家庭は大事にしたいと思っているので、そこは共通する部分かもしれません」

──由実子は直貴と結婚することで、自身も加害者家族として生きていくことを選んだわけですが、本田さんは加害者家族として差別を受けていく由実子を演じる上で、迷いはありましたか?

「この役について考えだすと迷いは尽きませんでした。だから、私にとってこの役を演じるために必要だったのは、迷うことより覚悟だったんです。(直貴と結婚して)加害者家族になることで、直貴くんが今まで受けていた偏見を自分も受けるようになることに対する覚悟。子どもが生まれたら、子どももそういう被害に遭うかもしれないから、子どもを自分で守っていかなければならないという覚悟だったり」

「それに、由実子を演じるにあたって、一番大事だと思ったのは家族の絆だったんです。加害者家族という偏見を受けるからこそ、せめて家族だけは仲良く、深いつながりでいようというのは、台本を読んだ時から思っていました」

──2018年は8年間モデルを務めた「non-no」(集英社)を卒業されましたが、18年の中で印象的な出来事はありましたか?

「今年は、やっぱり『non-no』を卒業したことが一番印象に残っています。ずっとホームだった場所を離れた寂しい気持ちはありますが、今はまた自分の居場所をつくろうという気持ちです。あとは、ドラマ『絶対零度~未然犯罪潜入捜査~』(フジテレビ系)で初めてアクションに挑戦したことや、今作の母親役も初めての経験だったので、今年は新しい挑戦をたくさんできたな、という気がしています」

──そんな初めて尽くしの1年を振り返ってみていかがですか?

「新しく挑戦したことは全部、やってみて良かったなと思いました。アクションでは筋肉痛がホントにつらくて、痣も体中にできて、ボロボロになって夏を過ごしていたんですけど…(笑)。でも本当にやって良かったな、と思うんです。そういうことって、自分からは絶対に挑戦しないことなので、オファーをいただいたからこそ挑戦できたわけですから」

──では、19年の抱負はいかがですか?

「抱負はまだ決まっていないんですけど、平成が来年で終わるじゃないですか。だからそれまでにまた1個ぐらい何か挑戦できたらいいな~と思ってます(笑)」

──最後に、ドラマスペシャル「東野圭吾 手紙」をご覧になる視聴者にメッセージをお願いします。

「自分が悪気なくやっていることで傷ついている人が、もしかしたらたくさんいるのかもしれない。そういう無意識に人を傷つけてしまう怖さに気付かせてくれる作品なので、ぜひ多くの方に見てもらえるといいなと思います!」

【プロフィール】


本田翼(ほんだ つばさ)
1992年6月27日生まれ。東京都出身。ドラマ「わにとかげぎす」(TBSほか)、「絶対零度~未然犯罪潜入捜査~」(フジテレビ系)、映画「アオハライド」「少女」「今夜、ロマンス劇場で」など出演作多数。2019年1月から主演ドラマ「ゆうべはお楽しみでしたね」(TBSほか)が放送。

【番組情報】


ドラマスペシャル「東野圭吾 手紙」
テレビ東京系
12月19日 午後9:00~11:09

兄が強盗殺人の罪で逮捕され、犯罪加害者の弟という運命を背負いながら、懸命に生きる青年を亀梨和也が演じる。直貴(亀梨)の兄・剛志(佐藤隆太)は、弟を大学に行かせたい一心で盗みに入った家で、思いもかけず人をあやめてしまう。剛志には懲役20年の判決が下り、服役。以来、直貴のもとには月に一度、獄中から兄の手紙が届くが…。脚本/池田奈津子 監督/深川栄洋 出演/亀梨和也 佐藤隆太 本田翼 広瀬アリス 中村倫也 高橋努 眞島秀和 西田尚美 渡辺いっけい 田中哲司 榎木孝明 小日向文世

【プレゼント】


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●締め切り:2019年1月4日(金)正午

●発表方法:当選者の方には、応募いただいたTwitterアカウント宛に、2019年1月16日(水)までに@internetTVGからダイレクトメッセージでご連絡します。なお、ダイレクトメッセージが送れない方や、ダイレクトメッセージを送付後、3日以内に返信いただけない場合は、当選を無効とさせていただきます。あらかじめご了承ください。

取材・文/遠山雅廣 撮影/中越春樹
衣装協力/LOKITHO(ドレス)、e.m.(ブレスレット)

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